ライコネンは今回、不思議なミスでレースを去った。
2コーナーの立ち上がりでホイールスピンをしたキミは、マシンを左に蛇行してアロンソと接触。即リタイヤとなった。怪我がないのが不思議なほどのクラッシュであった。
このクラッシュの原因はライコネンがホイールスピンさせたことが原因なのであるが、どうにも不思議である。ライコネンほどのドライバーが、こんな単純なコーナーの立ち上がりで、こんな簡単なミスをするのだろうか。私にはそうは考えられない。
昨年からのマシンはパワーのデリバリーをソフトウェアでコントロールしている。以前もアクセルバイワイヤーを使い、電子制御はしていたが、パワーの源はエンジンだけであり、それにKERSがアシストしているレベルだった。
だが昨年からはエンジン、MGU-H、MGU-Kを一定の制限はあるが自由に組み合わせることができる。だがMGU-Kはバッテリーに電気が充電されていなければ使えないし、エンジンは低回転では十分なトルク配分ができない。一瞬毎の状況に合わせて、パワーを提供しなければ行けないわけで、恐ろしいほど複雑な状況である。
ホンダが苦しんでいるのも、その部分である。
カナダGPのヘアピンでライコネンがスピンしたのも、実に不思議である。彼ほどの実力者があんなに簡単なミスをするとは思えない。
そう考えると今回のホイールスピンもソフトウェアが適切なパワーの提供をできなかったのではないだろうか。
昨年から見ているとどうもキミには、新しい時代のマシンが合っていないようにしか見えない。