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2013 Rd5 スペインGP観戦記 スペイン人のためのスペインGP

▽スペイン人の為のスペインGP
スペイン人のスペイン人による、スペイン人の為のGP。そんなスペインGPとなった。このサーキットは過去12年間でポールポジションのドライバーが11回ウィナーとなっている。というのも、ここは追い抜きが極めて難しく、一度前にでられると、後ろのドライバーはなす術がない。このサーキット、3位以下でスタートしたドライバーで優勝したのは一人だけ。そういう意味で5番手スタートのアロンソが勝つ事は容易ではなかったはずなのだが、そこを楽勝に見せてしまうのが、彼のすごいところだ。

5位グリッドから彼のスタートは良かったのだが、前を塞がれて5位のまま1コーナーへ入るが、2コーナーの立ち上がりスピードを活かしてまずライコネンをパス、続く3コーナーでアウトからハミルトンを豪快にオーバーテイク。このオープニングラップで二台抜いたのは、その後のレース展開を有利にした。
その後は抜けないコースレイアウトもあり、三位のまま第一スティントを走るが、アロンソは前の二台より一周早く9周目にタイヤ交換。これは後のスティント でタイヤを持たせる自信があるからできた作戦。そして目論見通り、ギリギリだが翌周タイヤ交換したベッテルをパスして二位浮上。だがセクター3の速いロズ ベルグを抜くのは難しかと思われたが、ハードに履き替えたニコは全くペースが伸びず、12周目にあっさりとアロンソがトップへ。

こうなる と敵は一回タイヤ交換の少ないライコネンだけだが、そのライコネンにも早々と20秒以上の差をつけ、一回タイヤ交換が多くても逆転できない安全圏に逃げ込 み、危なげなく勝ち切ったアロンソ。世界チャンピオン奪還に向けて再スタートとなる地元スペインでの感動的なレースとなった。

楽勝にも見 えるが、重たい状態のオープニングラップで二台をかわすのは簡単ではない。そして最初のタイヤ交換直後の攻めた走りでベッテルをパスした走りも見事だっ た。0.1秒でも遅ければベッテルをかわすのは難しかった。見えない相手と競争しながら全力で走るのは、かんたんなことではない。いつも全力で走れる事が アロンソの素晴らしい所だ。

今年のフェラーリはレースペースが速く、タイヤの持ちのバランスが最高である。これは今年のレースにおいて最も有利な武器であり、今年はどのレースでもアロンソは優勝候補になり得る。

これでアロンソはランキングトップのベッテルとのポイント差を17に縮める事に成功した。
今回、マッサはペナルティを受け、9位スタートだったにも関わらず3位表彰台。4位のベッテルからポイントを奪った仕事ぶりは評価される。

▽今回のタイヤ戦略
レース前、ロータスとフォースインディア以外は3ストップが予想されたが、結果的にライコネン、ディ・レ スタ、ペレスが3ストップ、他は4ストップという荒れたレースになった。このサーキットはF1を開催するサーキットの中で最もタイヤに厳しいサーキットの 一つであり、ピレリはハードタイヤを昨年並みに耐久性あるコンパウンドに変更してきた。それにも関わらず4ストップだった事実は今後、コンパウンドを見直 すきっかけになるかもしれない。
タイヤのタレは、ミディアムとハードで余り差がなく、ロータスはミディアムをメイン使ったほどだ。

そ れに今回はトレッドの剥離が一度ならず発生した。ピレリは破片を拾ったのが原因ではないかと推測するが、高速コーナーに耐えきれず剥離したように思える。 そんなに頻繁に破片を拾ってトレッドが剥がれても困る。このような現象は極めて珍しい。タイヤに厳しいシルバーストーンや鈴鹿では大丈夫なのか。対策が迫 られる中、ピレリもシルバーストーンまでに対策を施すようである。

▽謎の失速メルセデス
予選でフロントロウを独占したメルセデス GP。特に第三セクターの速さは圧巻だった。三位のベッテルと0.3秒、四位のライコネンとは0.5秒もの差をつけた。これは第三セクターだけのタイム差 である。だがレースペースは冴えない。ニコは第一スティントこそ、後ろを抑えてトップをキープしたが、ハードに交換した後は全くペースが上がらない。タイ ヤ交換直後からペースが上がらないので、これはタイヤのタレ云々以前の問題である。当然彼らも問題は認識していて、ライバルチームがP3で予選セッティン グを探る中、彼からはひたすらロングランの走行をかさねてきた。それでもこの結果である。これはどうにも説明がつかない。ここまで予選と決勝で差が大きな マシンは記憶にない。彼らはこの複雑な問題を解き明かしていかなければならない。

ただ次のモナコはタイヤに優しいサーキットであり、今回 低速セクターで速かったメルセデスにはチャンスがあるかもしれない。二人のドライバー共にこのサーキットを得意としており、昨年のシューマッハーの幻の ポールポジションもある。それにモナコはコース上での追い抜きは極めて難しい。全てがメルセデスGP向きのサーキットといえる。
 

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