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ホンダ F1復帰と壁高き挑戦

 2013年6月13日、ホンダは遂にF1復帰を正式に発表した。提供先はマクラーレン。そうあのマクラーレン・ホンダが復活するのだ。参戦するのは2015年からとなる。恐らくその時までに、供給先は一つか二つ増えるだろう。   だがすぐに常勝のマクラーレン・ホンダが復活すると考えない方がいい。 まず2015年からの復活という事は、ライバルはすでに一年新しいエンジンで戦った経験があるという事だ。これは今のテスト禁止下のルールでは、取り戻すのに時間がかかる。シャシーと違いエンジンはシミュレーションでかなりテストが可能という利点はあるが。 そして今のマクラーレンは昔とは違う。ロン・デニスとウィットマーシュの権力争い。上級エンジニアの相次ぐ離脱。メインスポンサー探しの不調。トップドライバーの不在。 どれもこれもかつてのマクラーレンでは考えられなかったことだ。今のマクラーレンはかつての最強軍団ではなくなっている。 マクラーレン・ホンダがチャンピオンを狙う上で、一番のネックになるのはドライバーになるだろう。バトンは一度タイトルを取ったが、例のブラウンGPの時 だけであり、その他はチャンピオン争いに加わった事すらない。もちろん彼に勝てるマシンを与えれば、勝つだろう。だが彼にアロンソのように勝てないマシン でも結果を残す事は期待できない。 かつてマクラーレン・ホンダの黄金時代には、セナとプロストという歴史に残る偉大なドライバーが二人も 揃っていた事を忘れてはならない。今でいえばアロンソとベッテルが同じチームにいるのと同じ。少し前でいえば、シューマッハとアロンソが同じチームにいる のと同じである。これで勝てなかったら詐欺だろう。恐らく彼ら二人が不在なら半分位しか勝てていないだろう。 ところが今のマクラーレンにはアロンソもベッテルもハミルトンもいない。アロンソとベッテルは歴史に名を残すドライバーとなる。そしてハミルトンもその可能性があるドライバーの一人だ。 スポンサーはテレメックスで決まりかもしれないが、そこはペレス付きである。彼に実力がないとは言わないが、証明する事はまだまだ多い。 最終的にかつてのBRAの時の様に、ホンダのテコ入れが必要になるかもしれない。 とはいえホンダはこのチャレンジが簡単でない事など、十分承知の上での決断であろう。逆にチャレンジだからこそ、参戦を決めたと思いたい。 ホンダがF1復帰を表明してくれた事は素直に喜びたい。できれば永遠に参加してほしい。その時ホンダは日本のブランドから真の世界のブランドになる。  

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