ニューウェイ、レッドブルへ移籍
驚きました、このニュース。
まさかこの時期にニューウェイがレッドブルへ移籍するとは。
2002年にレッドブルの母体となったジャガーへの移籍が取りざたされたが、マクラーレンが引き留めに成功。
もう移籍はないものだとばかり思っていた。
ニューウェイは来年の1月を持ってレッドブルへ移籍する。
ただし、彼の作るニューマシンは2007年シーズンまで待たなければならない。
これでピンチなのがマクラーレン。
思い起こされるのはロン・デニスが参画した当初のマクラーレンを支えたデザイナー ジョン・バーナードだ。
彼はロン・デニスがマクラーレンに参画したときからのデザイナーだった。
画期的なカーボンファイバーを使ったシャシーをMP4で実現。
マクレーレン復活の立役者となった。
それ以降もフラットボトム導入時にリアエンドを絞り込んだコークボトル形状をいち早く採用するなど彼の才能なしに、マクレーレンの復活はなかった。
しかし、彼はマクレーレンを去った。
ロン・デニスはスターデザイナーがいなくても、チームは問題ないと強弁した。
だがその後、チームは競争力の大半をホンダパワーとセナの個人技に頼り切ることになり、ホンダが第二期活動を停止し、セナが去った後は長期の低迷を余儀なくされた。
そのマクレーレンが復活したのは、ウィリアムズからニューウェイを引き抜いてからだ。
スターデザイナーを嫌ったロン・デニスだったが結局、スターデザイナーを他のチームから引き抜くという技を使わざるを得なかった。
もちろん強力なメルセデスエンジンとミカ・ハッキネンなしにはマクレーレンの復活はあり得なかったが、ニューウェイもまた欠かすことの出来ないメンバーだった。
そのニューウェイがマクレーレンを離れるのだから、ロン・デニスも穏やかでない。
来るべきミハエル・シューマッハーの引退に備えるフェラーリがライコネンに関心を寄せているとも噂される。
ニューウェイが去ったマクレーレンがライコネンに取って魅力が下がったことは間違いない。
もっともフェラーリのチーフデザイナーである、ロリー・バーンも引退の準備を始めているが。
ウィリアムズもニューウェイが去った後、チャンピオンから遠のいている。
このチームもパトリック・ヘッドの後を継いだサム・マイケルが苦しんでいる。
自動車はある意味で飛行機より複雑な乗り物だ。
空力特性を追い求めるとマシンは過敏になり、セッティングが難しくなる。
しかしダウンフォースがなければ、競争にならない。
驚くほど制約事項の多いレギュレーションの網の目をくぐり抜ける為には文章の読解力も必要だ。
どのチームも新しい才能を見つけようと探しているが、なかなか見つからないのが現状だ。
果たしてニューウェイがレッドブルでデザインするマシンがどうなるのか。
ただ個人の才能が重要な側面を持っていることは間違いないが、それだけでもダメなのがF1の面白いところ。
実際、ジョン・バーナードはマクレーレンを去った後はフェラーリのデザインなどをして、一時的には活躍したがその後は結果を残せなかった。
ニューウェイがレッドブルでどんなマシンを作るのか2007年が待ちきれない。
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