シーズン中に何回か見せるフェラーリの大きなミスが、ベッテルから表彰台を奪った。
余裕でQ2進出が見込まれたベッテルがQ1で脱落。1回目のタイムで大丈夫だと思い2回目のタイムアタックをセクター1で中止したのが裏目に出た。
その後、ライバルに逆転されたベッテルは16位に終わり、グリッド後方から追い上げるレースとなった。
でがどうしてフェラーリはこうしたミスを冒してしまったのか。フェラーリではこのような作戦をイタリアのマラネロで考えて、指示している。だがITが進化した今の時代でも現場にいなければわからないことがある。
もちろんイギリス系のチームも、ファクトリーに作戦を検討する人間を配置していて、提案はある。だが最終的にどの作戦を選択するかは現場の人間が判断する。
どうしても現場の人間は目の前の事象に引っ張られて冷静な判断を下せないことも多いので、ファクトリーに作戦担当を置くことは一理あるのだが、現場にいないことにデメリットもある。今回のようにギリギリまで引っ張って、瞬間に作戦を切り替えるという柔軟性に大きく欠けることになる。
今回もファクトリーにいるエンジニア達は計算上大丈夫だと思ってアタックを途中で止めたのだが、セクター2までは全力で走らせるべきだった。レースでは2ストップが予想されており、スーパーソフトはスタートで使った後は、ソフトでつなぐのが有力だったからである。
セクター2まで走って、ライバルのタイムを見てから止めても、大きな問題は起きなかった。セクター2は長いストレートが二本あるセクターなのでタイヤの負荷も最小限に抑えられたのだが。
これでベッテルは後方からスタートしたが、そこは好調なフェラーリとベッテル。こうした逆境の中でも4位まで浮上するのであるからさすがである。