タイヤ選定に悩むF1チーム
F1チームは2016年になる前から頭を悩ましている。
2016年の開幕戦オーストラリアGPのタイヤ選定を12月17日までに決めなければならないからである。新しいタイヤルールが早期の締め切りを迫っている。
3月20日のオーストラリアGPまで3か月もあるのに、2016年のルールにしたがえば、チームはタイヤコンパウンドを選択しなければならない。
チームは3種類のコンパウンドを選べる。ピレリはオーストラリアにミディアム、ソフト、スーパーソフトを持ち込む見込みである。
3種類のコンパウンドから使用する二種類のコンパウンドはレースの週末に決めればいいのだが、持ち込むタイヤセットの本数は事前に決めなければならない。
関連記事:2016年の複雑怪奇なタイヤ選択
どうしてこんなに早く決めなければならないかというと、製造期間と輸送にかかる時間があるからである。通常タイヤや船便で送られる。オーストラリアまでは日数が必要なので、3か月も前からタイヤを決めなければならない。
ヨーロッパラウンドのレースはもう少し猶予期間は短く8週間前までに決めれば良い。それでも約2ヶ月前である。
だがまだ2016年用のマシンはまだ準備されていない。テストで一周もしていない。ピレリの2016年用最終スペックで走ったこともない。
つまりチームは来年のピレリタイヤがどう動作するのかまったくわからない状況で、タイヤ選択をしなければいけないわけでこれは難しい。
昨年と同じ名前のタイヤコンパウンドでも毎年内容は変わっているので、完全にそのデータに依存することはできない。
そう考えると上位チームは保守的なタイヤ選択をしてくると考えられる。スーパーソフトを2セットにして、ソフトとミディアムを4セットずつか、スーパーソフトを3セットにして他を1セット減らすというのが常識的な判断ではないだろうか。
だが下位チームは予選でギャンブルするためにスーパーソフトを多く持ち込み、勝負をかけるかもしれない。
ヨーロッパラウンドに入る頃には、タイヤのデータも入手できているし、コースのデータはチームが持っているので、ギャンブル的な要素は徐々に少なくなると見込まれるが、シーズン序盤の遠征シリーズでは興味深いレースが見られるかもしれない。
- マクラーレン サンタンデールとスポンサー契約延長
- MGU-H 廃止にホンダが反対