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ピレリのタイヤ変更で笑った人泣いた人

今年も話題の中心にはピレリタイヤがいた。シーズン前半からトレッドの剥離があり、シルバーストーンでのタイヤバースト。そして安全性のためにハンガリーGPからは、昨年と同じ構造のタイヤに変更された。当然だがこれはチームに大きな影響を与えた。 まずハンガリーGP以降、急激に成績を向上させているチームが二つある。レッドブルとザウバーである。もっともこの二つのチームの快進撃はタイヤだけが理由ではない。リアのエキゾースト関係の改良がこの成績には大きな影響を与えている。だがタイヤの影響も大きい。 関連記事:ベッテル 抜群のトラクションはエキゾーストブロー効果 関連記事:ベッテルとレッドブル 驚速の秘密 古いタイヤは構造にスチールを使っていた。スチールは80年代くらいには使われていたが、最近は使われていない。なぜなら強度が保てないからである。このことによって走行中にタイヤが押しつぶされて、タイヤの接地面積が増えて、グリップも増えた。ただ大きな負荷をかけると、すぐにダメになった。だから非常に注意深く使う必要があった。特にレッドブルは他のチームよりダウンフォースが大きく、コーナーリングスピードも速いので、このタイヤでは彼らの強みを発揮できなかった。マレーシアGPでのチームオーダー事件「マルチ21」はこうした理由があり実行された。2台のマシンが激しくバトルをすれば、タイヤが最後までもたない恐れがあったのである。今のタイヤであればチームオーダーは出さない。ニューウェイもこの変更が彼らの躍進の助けになったことを認めている。 変更されたピレリタイヤは、構造にケブラー素材を使っている。これはスチールよりも強い。その為、大きな負荷をかけても問題がなくなった。その為、新しいアップデートのお陰もあり、自分たちのスピードを思う存分活かすことが可能になった。これは彼らの大きな助けになった。 また新しいピレリタイヤは、高速になるとタイヤの直径が5mmほど大きくなる。その為、レッドブルは更にフロントを下げることができ、大きなダウンフースを獲得している。 彼らはシルバーストーンまでの8戦で3勝、ドイツGP以降の8戦で7勝である。 一方、泣いた人たちもいる。フェラーリ、ロータス、フォースインディアである。彼らは以前のタイヤをうまく使えており、他よりも一回少ないタイヤ交換で成績を残していた。当然、タイヤの変更には反対していたが、イギリスGPでのタイヤバーストで導入を受け入れた。もちろん彼らの成績悪化が全てタイヤのせいではない。実際、ロータスはタイヤ変更後もいい成績を残している。 とはいえ、このタイヤの変更はF1の勢力図に大きな地殻変動を及ぼした。当然、シーズン途中のタイヤ変更などはない方がいいのだが、事前のタイヤテストができない現状ではこうした問題はまた来年も出てくる。現在、タイヤテストの実施でピレリとチーム間で交渉が続いているが、まだ不透明な状況である。

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