F1 ニュース&コラム Passion

2013 Rd.17 アブダビGP観戦ガイド

【アブダビGP観戦ガイド】 【開催国概要】 開催国:アラブ首長国連邦 首都:アブダビ 地理:アラビア半島のペルシャ湾沿岸に位置する首長国からなる連邦国家 人口:約5,000千人(世界137位) GDP:約26兆円(世界第36位) 公用語:アラビア語 通貨:UAEディルハム 【サーキット】 ヤス・マリーナ・サーキット コース全長:5.554km 周回数:55周 レース距離:305.335km ポールポジション位置:コース右側 コーナー数:21 平均速度:197km/h PPタイム:1分38秒481(S.ベッテル レッドブル 2011) ファステストラップ:1分40秒279(S.ベッテル レッドブル 2009) アブダビは、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつで、2009年に初開催されたレース。夕方スタートしゴール時には夜になるトワイライト・レースである。 サーキットは珍しい左回りのレイアウトを持ち、コースは三つのパートからなる。最初の部分は中高速コーナーが連なる高速ターン区間。次は、真ん中をシケインでつながれた長いバックストレート区間となる。最後のパートは直角コーナーが多く、市街地サーキットのような低速区間。路面はスムーズだが砂が多く、レコードライン以外はスリッピーで追い抜きは難しい。 ランオフエリアは最新式のサーキットにしては、驚くほど狭い。これは、新しい素材である、ポリエチレン発泡体バリア「テックプロ」が使われているためである。このため安全性に問題はないが、コースアウトすると即リタイヤとなる可能性が高い。 ピットロード出口は立体交差になっており、非常にユニークである。だが、この部分は速度制限外のエリアになっていて、先を急ぐドライバーがクラッシュする可能性もある。 夕方にスタートし夜にフィニッシュするので、シンガポールとはまた趣が異なる。 その為、路面はスタート時より照明器具で照らされるが、ドライバーはコース上の明るさが変化することに対応しなくてはいけない。オーバーテイクポイントは長いバックストレートと、その最後にあるT8とT11。路面はそれほどタイヤに厳しくない。 【エンジン】 コース全体のエンジン全開率は高くはないが、長い直線での連続全開時間は長く、エンジンには厳しい。中東のサーキット特有だが、砂がエンジン内部に入り込むと、ダメージを与える可能性がある。ストレートの距離も長く、エンジンパワーに優れたメルセデス・ベンツエンジン搭載車は有利である。 シーズン終盤でありどのドライバーもエンジンのマイレージは厳しいので、エンジンのマネージメントをしなくてはいけない。気温は30度以上になること予想され、エンジンのクーリング対策も重要になる。 エンジン全開率:60%(やや高め) 燃料消費量:2.75kg/ラップ(やや高め) 搭載燃料量:151kg(やや高め) 最高速度:320km/h(DRS ON)、307km/h(DRS OFF) 【シャシー】 中高速と低速区間を持ち、しかも長いストレートがあるので、セッティングのバランスをとるのが難しい。ダウンフォースレベルはやや多め。路面がスムーズなので、車高を落としてダウンフォースを増やすことは可能。 サスペンションの固いマシンでも、欠点の出にくいサーキット。最初の中高速区間では、レッドブルは有利。低速区間では、メカニカルグリップが必要で、ここではメルセデスとレッドブルが速いだろう。ブレーキの摩耗レベルはやや大きめ。大きなブレーキングポイントが二カ所あるので、ブレーキング時の安定性は重要。 ブレーキウェア:中程度 ブレーキングポイント数:12  ブレーキング時間:16%/LAP フューエルエフェクト(燃料10Kgあたり):0.4秒(やや高め) 【DRS】 DRSゾーンはバックストレートに二カ所設けられる。 最初の検知ラインはタイトなヘアピンであるターン7の40m手前で、動作開始ラインはターン7を立ち上がって390mの地点から。 二つ目のゾーンはその直後で、検知ラインはシケインであるターン9の立ち上がり50m、動作開始ラインはターン10のエイペックス(昨年と同じ)。 【タイヤ】 ピレリはソフトとミディアムを持ち込む。これはインドGPと同じ組み合わせである。走行開始当初は路面が汚いが、マシンが走り出すとラバーがのるので、路面状況は1ラップ毎に改善される。その為、金曜日の段階では各チームグレイニングに悩まされる。 予選、決勝レースが進む中で、路面の状況が劇的に改善されることが予想されるので、どの程度グリップが改善されるか想定しながらのセットアップ作業となり、各チームの実力が問われる。昼間の気温は高いが、夕方から夜間にかけて急激に気温が下がることが予想される。FP1とFP3では路面温度が40度前後、FP2と予選と決勝は路面度が30度前後になる。これは、タイヤやセットアップの評価をする際に重要な要因となる。路面はスムーズでタイヤには厳しくない。ラバーがのってくれば、ソフトでも長い距離が走れるだろう。予想周回数はソフトが15周前後、ミディアムが25周前後。二種類のタイヤのタイム差は1秒~1.3秒。 【ピット戦略】 タイヤへの負荷が少ないが、ソフトの寿命が短いと予想されるので2ストップが主流になると予想される。だがタイヤの負荷はインドより低いので1ストップも可能。高速コーナーは少なく、ストップ&ゴーのコーナーが多いので、リアタイヤがタイヤ交換の鍵を握る。ロスタイムは、停止時間+18秒(約21.5秒) 【天気予報】 3日間ともドライコンディション。 日中の気温は約40度と高いが、予選や決勝がおこなわれる夕方から夜にかけて路面温度は30度程度まで下がる。 【レース展望】 夏休み以降連勝を続けるベッテルが優勝の最有力候補。 ここを得意としているハミルトンが挑戦する。 ポールポジションからスタートしたドライバーは過去4回中3回はリタイヤしている。昨年優勝したライコネンはフロントロウからスタートしなかった唯一の勝者である。ベッテルは2009年に2位スタート、2010年はポールスタート、ハミルトンは2位スタートで勝っている。 ベッテルが2勝をあげており、ハミルトンとライコネンは1度づつ勝っている。だが2012年のベッテルはグリッドペナルティで、ハミルトンは2009年ブレーキトラブルで勝てるレースを落としている。 【過去の優勝ドライバー】 2009 S・ベッテル<レッドブル> 2010 S・ベッテル<レッドブル> 2011 L・ハミルトン<マクラーレン> 2012 K・ライコネン<ロータス>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください