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不思議の国のペレス

ペレスが今シーズン2回目、通算7回目の表彰台を獲得した。 この表彰台は今までで一番価値がある。これまでの彼の表彰台はタイヤ戦略をライバルと変えたり、雨絡みで獲得したのが多い。 だが今回は違う。今回は上位陣はすべてワンストップでペレスもワンストップだった。しかも予選2位の快挙を成し遂げながらも、フリー走行でクラッシュした時にギアボックスを痛めて交換。5グリッド後退のベナルティで、7位スタートからの表彰台である。 それだけに価値のある表彰台である。もちろん雨絡みやタイヤ交換の数を少なくして表彰台に登るのがダメと言っているわけではない。だが同じ作戦で純粋にスピード勝負で獲得した表彰台はドライバーとして価値がある。 ペレスはスタートで2台抜いて5位に上がりその後も素晴らしいペースで走行を続けて、3位のライコネンにピタリとつける。ライコネンはピットレーン入り口のラインを踏んで、5秒加算のベナルティがあり、この時点でペレスの3位は確定していたが、最後にペースの落ちたライコネンを抜いて正真正銘の表彰台である。 フオースインディアの予算規模を考えると、この表彰台は勝利にも匹敵する偉業ではある。こういうことがあるから、F1は面白い。 それにしてもペレスというのは不思議なドライバーである。チームメイトが可夢偉の時もヒュルケンベルグの時もそうだが、普段はチームメイトを圧倒するわけではないのだが、なぜか表彰台に立つのはいつもペレスである。 もちろんタイヤの扱い方うまいとかの理由もあるのだが、本当の理由はよくわからない。今までにないタイプのドライバーである。 この後もフオースインディアが得意とする高速サーキットが多いので、ペレスからは目が離せないかもしれない。
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