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楽勝でなかったハミルトン

ポールからスタートしタイヤ交換以外はトップを譲らなかったハミルトンだったが、とても楽勝とはいえないレースだった。
 
スーパーソフトで走った第一スティントでは、順調にリードしていたハミルトンだったが、リカルドがアンダーカットを仕掛けたことからレースは大きく動いた。
 
フェルスタッペンのタイヤ交換に反応し翌周にピットに戻りソフトタイヤに交換したハミルトン。今シーズン、メルセデスはスーパーソフトで苦しむことが多く、ソフトタイヤとの相性はバッチリだったので、これでハミルトンの勝利は安泰かと思われていたのだが、このタイヤ交換で有利に働いたのはフェルスタッペンだった。
 
ソフトタイヤをはいたフェルスタッペンは完璧なバランスを得て、ハミルトンを追いかける。しかもタイヤ交換終えたハミルトンの前にはチームメイトのボッタスがいて、ハミルトンはボッタスの乱流に影響されて近づけない。チームはボッタスにハミルトンを先に行かせるように指示し、さらにその後二周に渡りフェルスタッペンの前で抑えさせて、ハミルトンを援護した。
 
だがボッタスはハミルトンを先に行かせたことと、タイヤ交換を後ろ倒しにしたことで6秒ほどロス。最終的にはリカルドに追いつけない大きな理由になった。
 
ボッタスに阻まれたフェルスタッペンだったが、左のフロントタイヤにブリスターが出てチームは安全性に不安を抱き、フェルスタッペンにハミルトンより3秒差以内に入らないように指示した。
 
3秒以内に入るとハミルトンの乱流に入り、ダウンフォースを失い、タイヤがスリップしてブリスターがひどくなるのを防ぐためである。
 
そして二度めのVSCが入ったところで、ハミルトンはタイヤの温度を失い、速く走れなくなった。最後の数周でフェルスタッペンが猛追したのだが周回遅れのアロンソに引っかかる不運もありフェルスタッペンは2位に甘んじることになった。
 
そしてレース後にハミルトンを大きなトラブルが襲っていたことが判明した。レース中にマシンからバイブレーションを感じていたハミルトンがフィニッシュ後の無線でエンジンからのバイブレーションがあったことを告げた。
 
 こうして不運に見舞われたベッテルと幸運なハミルトンとのポイント差は59ポイントに開き、次のアメリカGPでハミルトンがベッテルに16ポイント差をつけてフィニッシュすれば、ハミルトンの4回目のワールドチャンピオンが決まることになる。
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