レッドブルのセバスチャン・ベッテルは、開幕戦で彼の乗るRB10は大きく変わると語った。
マシンの外観は変わらないが、内部は大幅に変わると彼は述べている。レッドブルはマシン内部の冷却関連の空気の流れを大きく変えると思われる。
レッドブルのサイドポッドは比較的小さく見えるし、ボディ後端の空気穴はかなり小さい。これは冷却だけを考えると難しい。
だがその分、当然空力的なメリットは大きく、マシンのダウンフォースは大きい。
今年のマシンの大きなポイントの一つが燃費である事は間違いがない。燃費を改善するために、コーナーで速くするなら、ダウンフォースを付けなければならない。だがダウンフォースが増えると、当然抵抗も増える。抵抗が増えれば、燃費は悪化する。
これでは意味がない。ただ同じダウンフォース量ならば、リアウィングが発生する抵抗より、ディヒューザーが発生する抵抗の方が少ない。だからレッドブルがボディでダウンフォースを稼ごうとしているのは正しい。
昨年までもレッドブルはタイトなパッケージに挑戦してアドバンテージを得てきた。問題は今年は新しいパワーユニットになり、冷却容量が増え、その妥協点が不明な点である。
今年のマシンの設計でもレッドブルは攻めた設計をしてきた。今のところ、それは攻めすぎた設計となっている。マシンの外観は変わらなくても、開幕戦に彼らがどういうマシンを持ち込むかは興味深い。