フジテレビNEXTのF1 GP NEWSで、ピレリのポール・ヘンベリーが2014年のタイヤに関して、興味深い話をしている。
「今年はマーブルを減らすために、コンパウンドの強度を増した。だから今年のタイヤは比較的硬めになっている。コンパウンドの強度を増して、ウェアの厚さを減らしたけどコンパウンドの科学的な材質からくる、デグラデーションは変わらない」
ピレリは今年、マーブルを減らす努力をしている。彼らはそれはコンパウンドの性質を変えることで対応してきた。
関連記事:ピレリ タイヤカスをへ減らす努力をする
「常に1ストップのレースにはならないだろうし、2ストップか3ストップと戦略的な幅が広がるだろう」
コンパウンドを固くしたが、その分コンパウンドの厚さを減らしたので、タイヤの寿命は変わらない。
「フロントは接地面を変更した影響をアシストするために、タイヤの内側を少し変更した。リアはオーバーヒート対策として、接地面への熱の伝導を改善した。オーバーヒートやチャンキングを防ぐために、接地面への熱の伝わり方を改良した」
これは今年のパワーユニットがトルクを増していることに対する、対策である。
「コンパウンドとしてはより保守的なアプローチをしたから、遅くなるのはわかっていた。最高の性能は落ちるけど、スティントを通してみるとタイムの落ちは少ないから20周から25周のスティントは今までより速くなる」
ピークのグリップは落ちるが、タイムの落ちは昨年までより少ないので、長いスティント全体のタイムは改善される。
「バーレーンのように燃費が厳しいサーキットではチームの戦略が興味深くなる。燃料をセーブするために、パフォーマンスを抑える戦略をとるかもしれない」
「速さを抑えるとタイヤの温度も低下するから厳しくなる。新システムの信頼性の問題から、コース上に止まるクルマが多くなるから、今年はセーフティーカーの出動も多くなる。メルボルンやカナダのような狭いコースでは赤旗になるかもしれない。最初の6~8戦は多くのチャレンジがあるだろう」
今年はこの速さと燃費の最適化が大きな問題になってくる。燃費を抑えて速く走りたいが、コーナーリングスピードを上げようとしてダウンフォースを付けるとタイヤの持ちは良くなるが、抵抗が増え燃費が悪くなる。燃費が悪くなりレース後半に遅く走ると、タイヤが作動温度領域から外れてさらに遅くなる。
これらの矛盾をどう解決するか、各チームのエンジニアの腕の見せどころでもあり、悩ましいところでもある。