ジェンソン・バトンが優れたドライバーである事は間違いがない。では彼のどの部分が優れているのであろうか。
マクラーレンの今井氏はバトンの優れた点を、その優れた記憶力にあると今発売のオートスポーツで述べている。
今井氏によるとバトンは非常に記憶力がいい。これはかつてのチームメイトであるハミルトンが記憶力が悪いといいたいわけではない。バトンは並外れて記憶力がいい。
では記憶力がいいとどういう利点があるのであろうか。例えば雨が上がり、路面が乾きつつある場面を想定してみよう。この状況では、常に路面状態が変化する。ここで何周も前の路面状況を記憶し、今の状況と比較すると、今後路面状況がどのように変化していくか予測が可能である。
予測が可能であれば、いつウェットやインターミディエイトからドライタイヤに履き替えた方がいいか判断できる。
路面状況の改善具合は、湿度や天候に左右され、常に不安定である。その際に改善具合を予測できれば、有利である。
だが普通のドライバーは、バトンほど記憶力が良くないので、今の状況でタイヤ交換時期を判断してしまう。例えば路面が乾きつつあり、インターミディエイトがグリップを徐々に失う状況で、我慢できずにタイヤ交換に入ってしまう。
だがバトンは今後の予想ができるので、今タイヤ交換した方が有利なのか、数周後にタイヤ交換した方が有利なのかを的確に判断できる。
だからバトンはコンディションが目まぐるしく変わるレースで強い。彼が雨のレースで強いと言われる理由は彼の並外れた記憶力にあったのである。