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佐藤琢磨の未来

佐藤琢磨がルノーをテストするというニュースをフランスの雑誌が伝えている。 今年パッとしない成績を残しているネルソン・ピケJrに刺激を与えるためだ。 もちろん、テストでの結果がよければ交代するということも、ルノーの首脳陣は考えているのだろう。 そうでなければ、テストする意味がないし、佐藤琢磨もテストに参加しないだろう。 ただ、そうして琢磨がルノーのシートを得たとしても、難問がある。 それは、今のルノーは完全にアロンソのチームであることだ。 特に、戦闘力の劣る今シーズンは、チームの90%程度リソースはアロンソに向けられている。 ルノーの調子が良ければ、もう少しセカンドドライバーに時間を割くこともできるのだろうが、今の現状ではそれも致し方ない。 そうなると、途中交代でたいしたテスト時間も取れないまま、レースに参戦することは、結果が残せない可能性が高くなる。 逆に、そこでアロンソと遜色のないタイムが出せれば佐藤琢磨の株は大きく上がることになるのだが、リスクの高い選択肢になることは間違いがない。 佐藤琢磨については、2009年ホンダに復帰することが噂されている。 ホンダとしてもスーパーアグリをあのような形で失ったので、何らかの策を施さなければならないだろう。 ホンダ移籍後のバリチェロの成績は期待を上回っているとはとても言えない。 だから、バリチェロと琢磨を交代させればいいとは思うのだが、事はそれほど簡単な話でもない。 まずは、バリチェロ自身がF1を続けたがっていること。 二番目に、バリチェロとニック・フライがいい関係であること。 三番目に、バリチェロとロス・ブラウンがフェラーリ時代にともに戦った経験があること。 つまり、イギリスのホンダF1チームからすると、バリチェロの続投でも問題ないと主張するだろう。 すでに、ニック・フライはバリチェロ続投をうかがわせる発言をしている。 バリチェロはフェラーリ時代に9勝をあげた実績がある。 腐っても鯛というわけだ。 日本の本田技研サイドは、結果の残せていないバリチェロに変えて佐藤琢磨を起用することに、異論はないだろう。 だが、ここにも少々の問題がある。 本田技研としては、イギリスのホンダF1チームに早急に勝てる体制作りを構築するように、強く求めている。 ロス・ブラウンの起用はその一貫である。 そうした中で、イギリスのホンダF1チームがバリチェロが必要だと強く主張すれば、本田技研側もむげには断れない。 かといって、31歳の佐藤琢磨がテストドライバーで満足するはずもなく、ホンダとしては難しい舵取りを強いられることになりそうだ。 では、佐藤琢磨はどうすればいいのだろうか。 私は、彼は一度ホンダから離れたほうがいいと思う。 ホンダなくして今の琢磨はないのだが、彼のF1ドライバーとしてのキャリアを考えるのであれば、他のチームで実力だけでドライブすることは、大きな意味があると思う。 琢磨自信もF1で勝ちたいと発言している。 来年、ホンダでF1に復帰したとしても、勝てるかどうかは未知数であり、勝てない可能性のほうが高い。 ロス・ブラウンが加入しただけで、勝てるほどF1は甘くはない。 であるのならば、他のチームで実績を積みながら、次のステップを模索したほうがいいように思える。 もちろん、トップチームであればテストドライバーをすることも含めて、考えるべきだろう。 もちろん、大前提として琢磨が他のチームから声がかからなければ、意味はない。 そう考えると、彼を補佐するマネージメント力は少々心配である。 ドライバーがチームと契約する際には、マネージメントサイドの実力も大きな比重を占めてくる。 彼の場合、そこが弱いのでないだろうか。 とは言え、私はホンダと契約するなと言っているわけではない。 ホンダからシーズンの早い時点で、来年のオファーがあるのであれば、受けることは問題はない。 ホンダF1チームが、琢磨の実力を評価して、早い段階で契約を求めるのであれば、断る理由はない。 私が心配するのは、ホンダF1チームと本田技研との間で、話がまとまらず、ドライバーの契約がシーズン終了間近、もしくは、終了後までもつれてしまう場合だ。 その時点で、ホンダから契約しないと言われれば、来年のシートを見つけることは、難しい。 3年前のプレイバックである。 佐藤琢磨はホンダに恩義を感じていることは間違いないだろう。 たがその恩を返すのに、ホンダで走ることだけが方法ではないのではないかと思うのだ。 他のチームで活躍し、実力を高めてからホンダに戻る選択肢も、考えるべきときなのではないか。 ミハエル・シューマッハーはベンツから資金提供を受けてジョーダンからGPデビューを果たし、わずか1戦乗っただけでベネトンへ移籍して、その後ワールド・チャンピオンにまで上り詰めた。 彼は一度も、マクラーレンのハンドルを握ることはなかった。 それが、F1という個人競技の厳しい現実である。 過去に、鈴木亜久里や片山右京などがトップチームからオファーを受けながらも、違約金や支援してもらったスポンサーのことを考えて、契約できなかった現実を見ると、日本人ドライバーがF1という弱肉強食の世界で生き延びるのは、本当に難しいと思う。 それだけに、日本人ドライバーで実力No1である佐藤琢磨にこそは、その壁を打ち破ってほしいと願ってやまない。 そして、その先に初優勝という目標が見えてくると思うから。 【編集後記】 先日は、1週間前という急なお知らせにもかかわらず、スーパーアグリを語る会に多くの方が参加いただけました。 ありがとうございました。 次回以降も、企画させていただきますので、よろしくお願いします。

One thought on “佐藤琢磨の未来

  1. 特・名機某

    仙太郎さん毎度どもです。
    さて今般の、降って沸いたような"佐藤琢磨"の、ルノーからのオファー確かに今、ルノーはチーム・アロンソ状態。もしそこに"佐藤琢磨"が入りました、でもピケJr.同様結果が出なかったとなると、F1参加撤退とコスト・カッター"カルロス・ゴーン"社長は、決断するでしょう。
    でももしも"チャンピオン・アロンソ"並み、それ以上の結果を残せば、どエライ事につまり"チーム・タクマ"になる可能性も秘めているってことですが皆さん"山本左近"もルノーに居るんですがカレの出番はいつでしょう?

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