
レッドブルのチーム代表である、クリスチャン・ホーナーは、来年も100%ルノーとのパートナーシップを続けると明言した。
今年からパワーユニットのレギュレーションが大きく変わり、シーズン開幕から6連勝をあげているメルセデスに大きな差をつけられているレッドブルは、エンジンメーカーを変更するのではないかと噂されていた。
ルノーのパワーユニットは今でも60馬力ほど劣っていると言われている。
カナダGPでエンジンメーカーを変えるかどうか質問されたホーナーは、来年も間違いなくルノーを使用すると述べた。
ただし2016年末に終了する契約には、パフォーマンス条項が存在する。それはコンストラクターズランキングで、ある一定の順位を下回った場合、契約を終了できるという内容である。
「我々はルノーと複数年契約を結んでいる。でもそこには成績による特約条項も含まれている。でも私たちはパワーユニットのメーカーを変更することは考えもしていない」とホーナーは述べた。
ルノーはカナダに来る前に、リカバリーモードを外して、パワーユニットの全てのパワーを使えるようにすると発表していた。
どれくらいのパワーが欲しいかと問われたホーナーは、「まだまだ十分ではない」と答えた。
「このテクノロジーはまだ完成しておらず、開発の進展を望んでいる」
「ハードウェアと燃料の融合も重要な開発領域である。これはとても重要な部分だが、我々はこの部分でライバルに後れを取った。なぜならルノーの開発は遅れていたからだ」
「この部分で追いつかなければならないし、トータルは素晴らしい仕事をしている」
ホーナーはレッドブルはルノーに対して最後通牒を突きつけないないと主張している。
「ルノーは苦しい状況を理解しているし、カルロス・ゴーンもモナコで状況を見ている」
「最後通牒なんて存在しないし、ルノーにはできるだけ早く開発を進めて欲しい。過去4年間はルノーと素晴らしい時を過ごした。全てのタイトルと勝利はルノーエンジンで成し遂げたものであり、彼らが問題を解決すると信じている」
実際、この時期からエンジンメーカーを変更することはかなり困難である。もうすでに来年用のマシン開発は進んでおり、夏には最終仕様を確定しなければならない。それにメルセデスがレッドブルにエンジン供給することは考えにくいし、フェラーリも同様である。ホンダは来年、F1に参戦する予定だが、まだ競争力があるかどうかは不明であり、この時期にホンダと契約するのはギャンブルである。
またルノーのエンジン代金は高額であると言われているが、レッドブルはワークスチームとして優遇されていると推測されるし、最新のハードウェアやソフトウェアを優先して供給される。
そう考えるとレッドブルがこれらの条件を破棄して、ルノーと袂を分かち、他のエンジンを使用する可能性はほとんどないことがわかる。