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2005年F-1 Rd6 モナコGP 観戦記 決勝

観戦記の初めにこれだけは言いたい。 久しぶりに感動するパッシングシーンだった。 もちろん、ツゥルーリとハイドフェルド。 難攻不落のモナコGPで、追い越しを仕掛けること自体素晴らしい。 チーム的には完走してポイント取ってね、という感じだろうが真のファイターにそんなことは関係ない。 ツゥルーリのマシンは縁石に乗り上げて、マシンのバランスを崩し入賞圏外に落ちてしまったが素晴らしいチャレンジだった。 冷静に考えれば、ステーションペアピンでのオーバーテイクは難しい。 過去に何人も追い越しを仕掛けてきたがほとんど失敗している。 それでもインに飛び込もうという、その気持ちがうれしい。 ハイドフェルドも同じく素晴らしいドライビングだった。 リアタイヤの摩耗によりトラクションのかかりにくいアロンソを、ポルティエからの立ち上がりからトンネル内で追いつめ、シケインの飛び込みで見事なオーバーテイクを見せてくれた。 彼の今年の立場は微妙だ。 最後の最後にシートを得て、しかも来年はバトン移籍報道の中でのドライビング。 このオーバーテイクに失敗していたら彼の失うものはとてつもなく大きかっただろう。 追い越さなくても3位は確保できていたからね。 それでも追い越しにいくその姿勢が人の心を打つ。 ウィリアムズのチームにもかなりのインパクトを与えたんじゃないかな。 こんなに素晴らしい走りができるんだったら、来年はバトンいらないんじゃないの? 一方、ウェバーに抜かれて、押し出されたと文句を言っていたのがアロンソ。 そもそもシケインでインを開ける方が悪いと思うが、あのタイヤでは仕方ないだろう。 ウェバーも少しオーバーラン気味だったが、あれでペナルティを取られちゃたまらない。 逆にアロンソが一回目のシケイン不通過でペナルティを取られていても仕方なかった。 そうだとすると入賞圏外もあり得ただけについていた。 なので今回のMID(Most Impressive Driver)は文句なくツゥルーリとハイドフェルドの二人に与えよう。 ▽ライコネンの一人旅、再び 予選2回目、軽めの燃料で勝負を仕掛けたアロンソを押さえて見事にポールポジションを得たライコネン。 上位陣は重めの燃料を積む作戦を取ると予想されていたが、私はもしかしてアロンソだけは軽くしてくるじゃないかと思っていた。 理由はアロンソが優勝を狙う場合はそれしか今回、方法がなかったから。 ただライコネンとのポイント差を考えれば、2位を確実に狙う作戦でくると思ったので可能性は低いと思っていた。 だがアロンソは優勝を狙っていた。 持たないとわかっていた一番柔らかいタイヤを履き、軽い燃料で勝負に出た。 終盤にタイヤがたれても、モナコじゃ追い抜かれないと踏んだんだろうね。 結果的にポールポジションは逃したが、予選2位は確保。 軽い燃料のマシンを使い、得意のスタートで1コーナー前にライコネンをパスする狙いだ。 その後は軽いマシンでライコネンとの差をつけるつもりだったのだろう。 しかし、ライコネンは順調なスタートから、コース中央を走りアロンソに付けいる隙を与えない。 アロンソの加速は素晴らしかったが、ここはモナコ。 前のドライバーがよほどミスをしない限りは抜くことはできない。 これでレースは決まったかと思われたのだが、セーフティ・カーが入りレースは急展開。 アロンソはピットインするが、ライコネンは入らない。 これがレース展開にどう影響するのかと思ったのもつかの間。 セーフティ・カーが入った後はライコネンのワンマンショー。 異次元の速さであっという間に30秒近いギャップを作り、スペインGPと同じく一度もトップを譲ることなく2連勝。 アロンソは予選にかけており、ライコネンと同じ柔らかいタイヤを履いていたと見られるが、予想よりも遙かに早くタイヤがたれてしまい、後半ペースががっくりと落ちてしまう。 そして最後にはウィリアムズの二台にかわされて4位でフィニッシュ。 これでライコネンとの差は17ポイント。 今のポイント制度でこの差を詰めるのはかなり厳しいが、ライコネンにも少しだけアロンソの背中が見えてきた。 とりあえず、スペインGP観戦記での予想があたりほっとしてます。 ▽予想通りのフェラーリ低迷 ブリヂストンタイヤの特性で予選での一発が出にくいフェラーリのこのモナコでの苦戦は予想されていた。 それを考えると今回の結果はそんなに悪くない。 ミハエルのフロント・ノーズ交換がなければもう少し上に行けただろう。 ただ追い抜きが難しい現代F1で予選順位が悪いのは、ミハエルをもってしてもかなり厳しい。 今年のミシュランはレース中のたれも少ないので、去年のようにはいかない。 次も追い抜きが厳しいニュルブルクリンクなので、厳しい戦いはまだ続きそうだ。 ▽ヨーロッパGP 次は来週連戦で行われるヨーロッパGP。 パッシングポイントがほとんどないサーキットなだけに、やはり予選が重要となる。 このところライコネン&マクラーレンが異次元の速さを見せているので、誰がこれを止めるのかが注目だ。 モントーヤもここらでしっかりやらないと、立場が危ういよ。 そして次からBARホンダがレースに復帰します。 サンマリノGPでの失格で未だポイントゼロ。 なんとか結果が欲しいGPです。

3 thoughts on “2005年F-1 Rd6 モナコGP 観戦記 決勝

  1. toyo

    F1をもっと良くしましょう!
    仙太郎さんはご存知かもしれませんが、FIAにてアンケートが実施されています!
    このアンケート結果が今後のF1にどこまで反映されるか解りませんが、何もしないよりはましだと思います。
    ですので、ここを見にこられた方々にも是非アンケートに答えて欲しいと思います。
    http://www.fia.com/index_1024.html
    私も今しがたアンケートに答えてきました。
    昔からFIAにはあまり良いイメージがないのだが、F1が少しでも一般人が望む世界に近づくよう、FIAも努力しようとしているのか?
    アンケートの中に出てくる項目に、「追抜きを増やす」というのがある。
    アンケートの項目に出てくるということはFIAも解っているんだろう。
    近年いろんな改革がなされているが、タイヤ無交換という制約が今年のモナコのオーバーテイクを生んだ。
    2回の予選の合算タイム(もうなくなったみたいだけど…)など工夫はしている。
    しかし、今のF1というスポーツはは根本的に金がかかる。
    もっと予算を決め、レギュレーションを明確にし、車の差がつきにくくするべきである。
    前述のとおりF1は技術を競う場でもある。
    決められた予算の中で各チームができることをやり、その中で差がつくのは仕方ないことである。
    しかし、無制限に金を掛けれるのであれば、予算のないところが苦しむのは当たり前である。
    F1というものはヨーロッパの文化であり、日本企業や日本人などは外様の感がある。
    それどころか、お金を運んできてくれる国というイメージもあるだろう。
    しかしF1は世界のスポーツであり、技術競争の場であり、そしてドライバーの競争でなければならないと思う。
    昔、沢山のコンストラクターが参戦し、予備予選までやっていた頃が懐かしい…
    しかし、それによって日本企業や日本人ドライバーの価値が下がったともいえる。
    モナコとハンガリーでオフィシャルカーに追突されたり跳ねられた日本人ドライバーも生まれてしまった。
    F1は金でどうにでもなると証明した男だ。
    近年も日本で勝てない男がホンダのおかげでF1に飛び出したりもした。
    F1に初めて乗った日本人もよく賞賛されるが、私は違うと思う。
    確かに当時日本では早かっただろう。
    しかし、同じ車に乗ってあれだけ差がつく状況で、あの年数参戦できたのはホンダのおかげであるとしか言いようがない。
    そんななか現在もマクラーレンのテストドライバーを勤めているデラロサと昔チームメイトであった虎之介。
    少なくとも私はデラロサと虎之介はほぼ互角であった思っているが、虎之介は全く評価されなかった。
    右京に関しても「カミカゼ」とうニックネームをもらいながら決して評価は高くなかった。評価されかけたときに日本人特有の人の良さが出たためチャンスを逃してしまった。
    中谷明彦なども89年にF3000の日本チャンピオンになりながら、スーパーライセンスが発給されなかった。そのかわり、イタリアでF3000に乗っていただけのアマティという女性が乗ることになった。女性という話題性に日本のF3000のチャンピオンが負けたのである。
    全く持って日本をなめてるとしか言いようがない。
    だからFIAという組織が昔から好きではないのである。
    今でもフォミュラーニッポンは世界からほとんど評価されていないように思う(フォーミュラーニッポン優勝者がF1にいってもほとんど活躍してないから仕方ないが…)。
    しかしそれだけに初めて世界を経由してF1へ入った琢磨に期待してしまう。
    今こそ日本のドライバーの力を世界に示して欲しい。
    かなり話が脱線してしまいましたが、私がF1に望むのは早い車、そして早いドライバーを見たいということだけです。
    ピットの戦略も作戦のうちでしょうが、レースというものは抜いて抜かれてというものだと思います。
    持参金を持ち込めば早くなくてもF1に乗れる。
    オーバーテイクしたが批判される。
    そういう世界は望んでいません。
    F1はスポーツです。
    それも世界最高峰のモータースポーツです。
    一流のドライバー達が決められた予算内で製作された車に乗り、人の運転技術と車の技術を競い合う世界であって欲しいと思います。
    また長くなってしまいましたが、F1おたくの独り言と思ってください。

  2. toyo

    自分の書いた文章読んでて思ったのですが、昔スーパーライセンス発行してたのはFOAかも…
    適当なこと書いてすいませんでした。

  3. 仙太郎

    toyoさん、こんにちは。
    コメントありがとうございます。
    アンケートの存在は知りませんでしたが、私も答えておきました。
    私が望むのは抜きつ抜かれつのスポーツとしてのF1です。
    クルマのテクノロジーに個人的に興味はありますが、それはWRCやスポーツカーレースでやって欲しいと思います。
    今のF1が昔より面白くなくなったのは、追い抜きがなくなったからでしょう。
    その為には、カーボンブレーキやトラクションコントロール、セミオートマチックなどドライバーエイドを禁止するだけでもかなりの効果があると思います。
    それにはそれほどコストがかかるとは思えません。
    マニアならともかく一般のファンはピット戦略がどうたらとか、燃料搭載量が多い少ないとか言われてもわからないでしょう。
    予選方式や、エンジンのルールもわかりにくいですよ、普通の人には。
    F1もサッカーや野球のように普通の人が何気なくTVつけて見ても、わかるようにしなければ人気は出ないと思います。
    追い抜きもなく、ただぐるぐる同じ所をクルマが走っているのを見ても、面白くないでしょう。
    そういう普通の人の視点に立ってできるか、どうかが今後のF1の運命を決めるでしょう。
    これってビジネスの基本なんですけどね。
    バーニー・エクレストンやマックス・モズレーもTVや観戦席でF1を見てどう感じるか、お客さんがどういうリアクションをしているか感じてみればいいと思います。
    VIP席でひっくり返っていても何も見えてこないですよね。

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