2011 Rd19 ブラジルGP観戦記

 ▽負けてもベッテルは素晴らしいドライバーである
ベッテルのトラブルはギアボックスのオイル漏れだった。5周目に発覚しそのままでいけばレース半ばにはオイルがなくなる計算だった。そこでピットからベッテルへは最初に2速ギアを、次いで3速をショートシフト(※)に、最後にはギアチェンジの回数を減らすように指示が出た。それでもベッテルのペースは力強くウェバーには抜かれたものの、バトンやアロンソを抑え込むには充分な速さがあった。

これをチームがウェバーを勝たせようとしたチームオーダーではないかという疑惑もあったようだが、それはないだろう。ベッテルは勝つことに執念を見せていたし、そもそもチームオーダーは合法である。こんな手の込んだ芝居を打つ必要はない。それにこれがベッテルにばれたとき、裏切られたと感じるベッテルは他チームへの移籍を考えるだろう。よってレッドブルがそんな事をするわけがない。
続きを読む >>

2011 Rd19 ブラジルGP観戦ガイド



【開催国概要】
開催国:ブラジル連邦共和国
首都:ブラジリア
地理:南米大陸中央東部に位置する南米随一の大国
人口:約193,734千人(世界5位)
GDP:約200兆円(世界第9位)
公用語:ポルトガル語
通貨:レアル

【サーキット】
アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ
4.309km×71周=305.909km

今シーズン五つしかない、左回りのレイアウトを持つサーキット。
その為、通常とは逆方向へ力が掛かるので、首へのストレスが大きい。
また路面がバンピーであり、高温なのでドライバーの肉体的負荷が大きい。

高低差も大きくドライビングは難しい。
特に1コーナーから2コーナーにかけてのエス・ド・セナは急激に下りながら左右と切り返し、リアのトラクションが抜けるので、雨が降ると非常に危険なコーナーとなる。

オーバーテイクは1コーナーの飛び込みと、バックストレート終わり4コーナーの飛び込みでのブレーキングがチャンス。比較的追い抜きはできるコースである。

窪みにあり沼地に位置するサーキットなので、急に雨雲が生成され、スコールが降ることもあり、これまで多くのドラマを生み出してきた。
続きを読む >>

2011 Rd18 アブダビGP観戦記

▽最も不幸な男ベッテル
ポールポジションから素晴らしいスタートを切ったベッテルのレースはターン2で終わった。
彼はターン1の立ち上がりでは、2位のハミルトンに3車身以上の差をつけていたのだが、ターン2であっさりとスピン。
ただなぜ彼の右後輪タイヤが突然、パンクしたのかは全く不明である。
今のF1はタイヤプレッシャーを常時監視しているので、スタート時に問題があればチームは伝えてるはずだが、それもない。そう考えるとベッテルはターン1でタイヤに異常をきたしたと考える他にはない。
ターン1からターン2という短い距離の中であれほど、急激な圧力低下に見舞われるという事は、かなり大きな傷がなければ起こりえない事なので、ターン1外側の縁石の角か、落下していたパーツを踏んだとしか考えられない。

※ちなみにこれを書き上げた時点で、ブロウン・ディヒューザーから吹き出る高温の排気ガスが、タイヤを溶かしたとの説が出てきた。ただそれが原因であれば、タイヤを見れば溶けたかどうかはわかると思うのだが、ピレリがそのような発表をしていないので、現時点はこの原因は考えにくい。
続きを読む >>

F1 プチ MEETING @ アブダビGP

前回、感動の最終回を迎えたF1 MEETINGですが、規模は縮小しながらも復活!しました。
今回は表参道にあるケイ・コッツォーリーノのお店「カルミネ表参道スタンド」で開催しました。



元々お店にはモニターもなければ、スカパーの契約もないという中、わずか2週間で開催にこぎ着けていただきましたケイやPIT-FMスタッフの皆さんのご苦労は多かったと思いますが、無事開催できました。
また素晴らしい画質のハイビジョン3Dテレビを提供いただきましたLGのキムさん、ありがとうございました。


LGの液晶テレビ。きれいな画面でした。
キムさん、ありがとう!
続きを読む >>

2011 Rd18 アブダビGP観戦ガイド



【開催国概要】
開催国:アラブ首長国連邦
首都:アブダビ
地理:アラビア半島のペルシャ湾沿岸に位置する首長国からなる連邦国家
人口:約5,000千人(世界137位)
GDP:約26兆円(世界第36位)
公用語:アラビア語
通貨:UAEディルハム

【サーキット】
ヤス・マリーナ・サーキット
5.5km×55周=302.5km

アブダビは、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつで、2009年に初開催されたレースで、夕方スタートしゴール時には夜になるトワイライト・レースである。

サーキットは、珍しい左回りのレイアウトを持つ。
コースは、大きく分けて三つのパートからなる。

最初の部分は中高速コーナーが連なる高速ターン区間。
次は、真ん中をシケインでつながれた長いバックストレート区間となる。
最後のパートは直角コーナーが多く、市街地サーキットのような低速区間。

路面はスムーズだが、砂が多く、レコードライン以外はスリッピーで、追い抜きは難しい。

ランオフエリアは最新式のサーキットにしては、驚くほど狭い。
これは、新しい素材である、ポリエチレン発泡体バリア「テックプロ」が使われているためである。
このため安全性に問題はないが、コースアウトすると即リタイヤとなる可能性が高い。

ピットロード出口は立体交差になっており、非常にユニークである。
だが、この部分は速度制限外のエリアになっていて、先を急ぐドライバーがクラッシュする可能性もある。

夕方にスタートし、夜にフィニッシュするので、シンガポールとはまた趣が異なる。
その為、路面はスタート時より照明器具で照らされるが、ドライバーはコース上の明るさが変化することに対応しなくてはいけない。
続きを読む >>

LAST F1 MEETING @ インドGP

3年間続いてきましたF1 MEETINGがついに終わりました。
世界初の公式F1カフェでのパブリック・ビューイング。
今後も継続の方向で努力していますが、この場所(六本木のピットストップカフェ)でのF1 MEETINGは今回で終わります。


寝ているわけはありません。考え事してるだけですよ。
TOP3の予想とかね。本当に。

私自身は初年度から参加させいただき、さすがに最後の挨拶では感極まり泣いてしまいました。

思い返せば私がこのF1 MEETINGに参加したのは2009年4月第三戦の中国GPでした。
初参加のレースは、隣にはプロドライバーの松浦孝亮さんがいて、緊張したことをよく憶えています。
しかもこのレース、雨でSCスタートだったのです。最初の方は何を話して良いのかもよくわからず、中島さんの弾丸のような実況を聞いていつ話せば良いのだろうかと途方に暮れていました。
レースの途中からは普通に話せるようになったのですが、何とか無事に終了。
なんとか初解説を乗り切り、次のレースも参加することができました。でも次のレースは既に解説のドライバーの方が決まっていたので、私は裏方として参加する予定だったのですが、行ってみれば解説として参加させていただき、それからは、この週末までほぼ毎回参加させていただきました。


小嶋さん、中島さん、3年間お世話になりました。

このイベントでは、鈴木亜久里さん、中野信治さんという元F1ドライバーの方達とも一緒に参加させていただきました。松田次生さん、井出有治さん、伊藤大輔さんとは何回も解説させていただきました。
他にもおぐたんこと小倉茂徳さんやブリヂストンの浜島さんともご一緒させていただきました。これがご縁で浜島さんや川井ちゃんのトークショーにも参加させていただきました。今考えると幸せでしたね。


寄せ書きもいただきました。ありがとうございます。

最初の年は、右も左もわからずに走り抜けました。
2年目は来場の皆さんに少しでも楽しんでいただけるように、観戦ガイドも配布させていただきました。
3年目の今年の開幕戦はいきなり中止になり、東日本大震災もありました。
振り返ってみれば、もう3年も経ってしまったのかという気持ちです。


今回もたくさんの方にご来場いただきました。本当にありがとう
ございます。

年間レースの数がとても多い昨今、シーズンオフも短い中で、一気に走り抜いてきたという気持ちです。シーズン中はほぼ隔週でレースが開催されました。
私も隔週日曜日に六本木に通うことになりました。

それまでほとんど六本木に縁のなかった私ですが、この3年で40回以上通いました。このイベントがなければ六本木にこんなに来ることはなかったでしょう。

実は私、ピットストップカフェには開店直後の10月に一般客として来ていました。
その私がまさか解説者として参加することになろうとは、想像することは不可能です。その半年後、私はここで解説者デビューを果たすことになります。

お伝えしたいことはたくさんあり、全てを書ききれないのですが、やはり感謝の言葉をお伝えしたいと思います。

私の解説をF1 MEETINGで聞いてくださいましたお客様、私を解説者として招いて抱きましたPIT-FMの皆さん、いつも暖かく向かえてくださったピットストップカフェの皆さん、毎年20回も日曜日の夜家を空けても、私の夢を応援してくれた妻と子供。

メルマガ「F1 Hyper News」の読者の皆さん。
読者の方がいなければ、私は観戦記を書き続けることもできず、解説をすることもなかったでしょう。

全ての皆さんに支えられて、私は夢のような3年間を過ごすことができました。
F1 MEETINGが今後、どのような形で続けられるかはわかりませんが、この3年間は私にとって一生の思い出になると思います。

本当に皆さん、ありがとうございました。

本来であれば1人1人のお名前をあげて御礼をしなければいけないのですが、すみません。

最後の私が三年間、解説をさせていただきましたレースの中で記憶に残っているレースをランキング形式でまとめてみました。みなさん1人1人の中で、記憶に残るレースがあると思います。その記憶を少しでも共有できたらなと思います。

では、みなさんありがとうございました。
また会う日までさようなら。


イベントの最後にみんなで記念撮影!


1位 2010年 アブダビGP
昨年の最終戦。ベッテルの逆転チャンピオンの舞台です。圧倒的に不利なベッテルがチャンピオンになった瞬間は、鳥肌が立ちました。

2位 2009年 ブラジルGP
可夢偉のデビューレース。彼の活躍に胸躍りました。このレースと次のアブダビでの可夢偉の活躍は、F1 MEETING史上最高の歓声だったと記憶しています。

3位 2011年 カナダGP
雨雨雨。そんな記憶しかないGPに最後の最後に大逆転劇が待っていようとは。でも朝の6時過ぎまで起きて解説するのは難しかった。みなさん、お疲れ様でした。

4位 2011年 日本GP
それまでPIT-FMとして参加した日本GPでしたが、今年の日本GPは初めて決勝レースの解説をさせていただきました。しかもFP1、FP2、FP3、予選、決勝と全てのセッションで解説しました。しかも予選は可夢偉やベッテルの活躍、決勝ではバトンとアロンソ、ベッテルのバトルは見応え充分で、解説していてとても楽しかった。

5位 2009年 日本GP
初めてPIT-FMの一員として参加した日本GP。
ツゥルーリやグロックに生インタビューしたことが思い出されます。
panasonicタワーには可夢偉も来てくれましたね。


そしてさらに、最後の最後まで残っていただいたみなさんと
記念撮影!
またお会いする日まで、みなさんお元気で!

2011 Rd17 インドGP観戦記 
ベッテルのパーフェクトウィン

    ベッテルのパーフェクト・ウィン

今回も粘り強く追いすがるバトンに、最後まで気を緩めることはなかったが、それでもベッテルはいつものように万全の横綱相撲で初開催となったインドGPで勝利した。

 

このレースの焦点はタイヤがどこまで持つのかという点だった。

事前の予想ではソフトタイヤで25周走れるという予測だったが、走れるというのと、それで60周走りきった場合の合計タイムが一番速いのかは別問題。ある周回を境に極端にタイムが落ちるピレリタイヤの特性を考えると、どのチームも自分達とライバル達のペース、そしてハードタイヤに交換した他のドライバーのラップタイムを見ながら、タイヤ交換のタイミングを探るというゲームとなった。

 

事前の予想ではソフトとハードとのタイム差が2秒あると見られていて、ハードはレース終盤に少しだけというのが、大方の見方だった。

ただこのサーキットは初開催であり、路面状況は公道サーキットと同じで金曜日はグリップせず、土曜日に少し改善し、日曜日にすべてのマシンが走り出すと急速に路面状況が改善してくるのでレース後半ではハードとソフトのタイム差が予選ほど出ないと考えられた。

続きを読む >>

2011 Rd17 インドGP観戦ガイド

ブッド国際サーキットレイアウト

【開催国概要】
開催国:インド共和国
首都:ニューデリー
地理:南アジアに位置する連邦共和国
人口:1,198,002千人(世界2位)
GDP:約100兆円(世界第11位)
公用語:ヒンドゥー語、英語
通貨:ルピー

【サーキット】
ブッド国際サーキット
5.137km × 60周 = 308.22km

今年初開催されるインドGP。
合計16のコーナーを持ち、そのうち四つは低速コーナーで直線部分が3カ所存在する。コース前半部分は三カ所の直線区間含む4カ所の全開部分を三つの低速コーナーでつないであり、後半部分はコーナーの多いテクニカルなコースである。
最高で8%?10%程度の勾配があり、アップダウンが大きく、ドライビングは難しい。
オーバーテイクポイントはターン1の飛び込みとバックストレート。
名物コーナーは右回りに回り込むターン10であり、ここは高速ヘアピンとも呼べるユニークなコーナーである。トルコのターン10と違い奥になるほど、Rがきつくなる。
予想ラップタイムは1分27秒前後。
続きを読む >>

2011 Rd17 インドGP観戦ガイド

ブッド国際サーキットレイアウト

【開催国概要】
開催国:インド共和国
首都:ニューデリー
地理:南アジアに位置する連邦共和国
人口:1,198,002千人(世界2位)
GDP:約100兆円(世界第11位)
公用語:ヒンドゥー語、英語
通貨:ルピー

【サーキット】
ブッド国際サーキット
5.137km × 60周 = 308.22km

今年初開催されるインドGP。
合計16のコーナーを持ち、そのうち四つは低速コーナーで直線部分が3カ所存在する。コース前半部分は三カ所の直線区間含む4カ所の全開部分を三つの低速コーナーでつないであり、後半部分はコーナーの多いテクニカルなコースである。
最高で8%?10%程度の勾配があり、アップダウンが大きく、ドライビングは難しい。
オーバーテイクポイントはターン1の飛び込みとバックストレート。
名物コーナーは右回りに回り込むターン10であり、ここは高速ヘアピンとも呼べるユニークなコーナーである。トルコのターン10と違い奥になるほど、Rがきつくなる。
予想ラップタイムは1分27秒前後。
続きを読む >>

2011 Rd16 韓国GP観戦記
ーなぜハミルトンは敗れたのか?

 

  ルイス・ハミルトンはなぜ勝てなかったのか?


あまりにも不可思議なルイス・ハミルトンの敗北だった。Q2ではライバルに0.7秒もの大差を付け、Q3でも0.2秒差を付けてのポールポジション。スタートさえ失敗しなければ勝利の確率は高かった。そして彼はスタートも成功させ、主導権を持ってレースを走れると思ったのだが、1周目のターン4でベッテルにあっさりと抜かれてしまう。

 

この場面を振り返ってみよう。ターン4の一つ前のターン3でベッテルがアウトから仕掛けて、ルイスはインを押さえる。そうすると立ち上がりがルイスは苦しく、ベッテルの立ち上がり加速はよかった。ベッテルはハミルトンのスリップストリームに完全に入って抜いていった。

予選での走りを見ていると予選重視のハミルトンはDRS使用時に最適化するため、高めのギア設定をし、ベッテルはDRSを使えないレース時に最適化するために、低めのギア設定をしているように見えた。この場合、ベッテルの方が低速からの加速はよく、その二つの要因が重なってベッテルはハミルトンのインサイドに入り抜いていったのだと思う。

 

だがレース後にわかったことなのだが、ルイスのマシンはフロントウィングに問題を抱えてダウンフォースを失っており、かなり強いアンダーステアに見舞われていた。彼のフロントウィングには、大きなタイヤかすがギャップの間に挟まっていて、ダウンフォースを大きく失っていた。

 

それを考えるとルイスがほとんど抵抗もなしにベッテルに抜かれたことも理解できるしレース中、彼がアンダーステアを訴え続けていたこともわかる。

 

だからそれを考えると、彼が今回好調だったマーク・ウェバーを抑えきって2位になれたことは賞賛に値する。彼がレース後のインタビューで結果に満足していたのは、そういう背景があったからだ。

 

それにしても最近のルイスはついていない。何もなければ勝てる可能性が高かったレースだったのに。

続きを読む >>

calendar
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< December 2011 >>
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
recommend
recommend
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM