ハミルトンは意図してロズベルグを抑えようとしたのか
中国GP終了後、ニコ・ロズベルグがハミルトンを非難した。
それはハミルトンが意識的に遅く走り、ロズベルグのペースを抑えて、ロズベルグが3位ベッテルの脅威にさらされるようにしたと言うのだ。
ではハミルトンは本当にそういう意図があったのだろうか。本当にハミルトンがどう思っていたのかは、彼自身にしかわからない。
ハミルトンはベッテルが2位になった方が都合は良かった。チャンピオン争いをするロズベルグとの差を広げられるからである。だからそう思っていたかもしれない。
だがロズベルグはナンバー2ドライバーではない。もし彼がかつてのマッサのようにエースドライバーを抜くことが許されていなければ、彼の発言は正しい。だが彼はハミルトンとトラック上で争うことを許されている。
だからロズベルグはもっと速く走ることができるならば、そうすれば良かった。ハミルトンとロズベルグには常に数秒の差があり、ロズベルグがハミルトンのテールに迫ることもなかった。
ロズベルグには何かトラブルでもあったのだろうか。そのような発言は彼からもチームからも聞かれない。
ハミルトンはもうロズベルグのことを気にしていないように思える。昨年の中盤までは争っていたが、終盤に向けてハミルトンの強さは際立ち、チャンピオンを獲得。そして今年に入ってはロズベルグを寄せ付けていない。
今のハミルトンはロズベルグよりも、フェラーリを気にしているのではないだろうか。少なくとも同じマシンに乗る限り、彼はロズベルグに負ける気はしないのだろう。
実際、ハミルトンは彼のコラムでアロンソのことは讃えているが、ロズベルグへの記述は少ない。
そう考えるとロズベルグは精神的にかなり追い詰められているように思える。
ロズベルグがするべきなのは、レース後に不満を述べることではなく、レースでハミルトンを負かすことである。それがF1を盛りあげることになる。
早々にチャンピオンが決まるF1を見たいと思う人はいない。
どこかでロズベルグはハミルトンに対して逆襲しなければならない。しかもハミルトンのトラブルなしで、勝たなければならない。
それがいつかはわからないが、早くしないと手遅れになる。こういう状況になるとチームはハミルトンの方を見て仕事をするようになる。そうなるとロズベルグが逆襲するのは難しくなる。
そう考えると、次のバーレーンGPがロズベルグの最後のチャンスになるかもしれない。
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