
決勝レースでは幸運に見舞われたニコだが予選では不運だった。Q2まではルイスをリードしていたが、Q3では2位になったしまった。Q3では最初にアタックすることをルイスが選択した。
これは昨年ルイスが後からアタックしたら、ニコがミラボーで飛び出してイエローフラッグが出たために、全開アタックができなかったからである。そしてルイスは今もこれをニコがルイスのアタックを邪魔するために、意図的にやったと信じているようである。
だからルイスは今回、不利を承知で先のアタックを選択した。普通に走れば自分の方が速いという自信がなければこの選択はできない。
通常モナコでは路面が走行を重ねる毎にグリップがよくなり、Q1とQ3では1秒以上タイムが縮まるケースもある。たった10分程度でも最初と最後では路面状況が改善される。だから今回Q3ではニコが有利になるはずだった。
ところがここでニコには不運が襲いかかる。Q3直前に雨がぱらっと落ちてきたのである。その為、ニコはルイスの直後でコースに出ざるを得なくなった。雨が降られては路面状況良くても意味がないからである。
できればニコはもう少し時間をおいてコースインして、改善した路面状況を活かしてタイムアタックをしたかった。だが結果的にルイスの直後でタイムアタックしたので、後攻という有利さを活かすことができなかった。
しかも直前にルイスが走っているのは、アタックしやすい状況ではなかった。そうして予選ではハミルトンがポールポジションで、ニコが2位となった。
だがこの予選からスタートしたハミルトンが独走して、それ故にタイヤ交換して失敗し、3位に順位を落とした。もしロズベルグが予選Q3でポールを取っていたら、どのようなレース展開になっていたのだろうか。興味は尽きない。