2005 F-1 Rd18 日本GP観戦記
ライコネンがぶっちぎりで勝つと予想したが、予選前にエンジン交換し、予選で大雨にたたられた時にはさすがに、これでは勝つのは無理だと思った。
いや私だけではない、誰もがそう思っただろう。
鈴鹿は追い抜くのがむちゃくちゃ難しいコース。
表彰台に行くとは思っていたよ。
でも優勝するとは、恐れ入りました。
全盛期のハッキネンを思い出させるすごい走り。
エンジン交換と悪天候にたたられたライコネンだったが、モントーヤとアロンソも後方グリッドだったのは幸いした。
レース序盤、彼らに逃げ切られたら、いかにライコネンといえども逆転は厳しかっただろう。
そしてライコネンのライバル、ルノーのアロンソがミハエルを二回抜いたシーンも圧巻だった。
でもフェラーリとルノー、マクラーレンのスピードの差は歴然としていたから、仕方ない。
全てをミハエルの責任にはできないよね。
鈴鹿はドライバーズサーキットみたいな言い方がされているんだけど、実際はマシンとドライバーの総合力が問われるサーキットだ。
マシンだけが良くても勝てないし、ドライバーだけでも勝てないのが鈴鹿。
アロンソが不運だったのはクリエンをかわした数ラップ後に、もう一度クリエンを先行させなければいけなかったことだ。
シケインの飛び込みでアロンソがクリエンを抜いたが、ショートカットしてしまったので、賢明なアロンソは最終コーナーでクリエンを先行させて、すぐにスリップストリームに入り、1コーナー手前で抜いた。
ここまでは特に問題がない。
アロンソはシケイン不通過だったので、最終コーナーでクリエンに先行させたのだからノーペナルティのはずだ。
だが一つだけ問題があった。
通常、シケインを普通に通過すると、立ち上がりで先行車に引き離されてスリップストリームに入れない。
だから鈴鹿のメインストレートでは抜くのがきわめて困難になる。
ミハエルやフィジケラが抜かれたのは、シケインの飛び込みで突っ込みすぎたり、ライン取りに無理があり、立ち上がり加速が伸びなかったのが理由だ。
そういう理由でアロンソはシケイン不通過でアドバンテージを得たとFIAが判断したんだろう。
これがなければアロンソも優勝のチャンスがあったかもしれない。
するとライコネン対アロンソのガチンコ対決が見られたかもしれず、レースはもっと盛り上がっただろう。
大昔、アメリカGPで確か20位と21位からスタートしたマクラーレン(J・ワトソンとN・ラウダ)が1-2フィニッシュしたことがあったが、それ以来の大逆転レースだった。
鈴鹿に行ってこのレースとバトルを見られた人、特に1コーナー付近の人にはお得なレースでした。
惜しかったのはフィジケラ。
ほとんど勝っていたレースを落としてしまった。
確かに130R でライコネンは速かった。
でもラスト3周目と2周目にフィジケラがシケインでインべたでアプローチしたのは間違いだった。
この2回ともシケイン突入時、ライコネンとフィジケラの車間距離は少しあり、いくらライコネンといえどもブレーキング競争できない状態だった。
フィジケラはミラーを見ながらコース中央の左寄りを走れば、アウトからかわされる心配はないし、インに飛び込まれてもライコネンはシケインを曲がりきれない。
130Rがいくら速いとはいえ、前走者に近づきすぎるとダウンフォースがなくなるので、さすがのライコネンも車間距離を空けざるを得ない。
もしフィジケラがうまくシケインを回れていれば立ち上がりで失速し、ストレートでかわされることもなかっただろう。
あのラインを走るのは最終ラップだけで良かったと思う。
これはフィジケラだけの責任ではなく、フィジケラにシケインを注意しろと言い過ぎたピットにも問題があると思う。
でもアロンソなら絶対に犯さないタイプのミスだったな。
▽琢磨1コーナーで消える
今年の琢磨は本当にちぐはぐだ。
予選で良いと決勝レースでダメで、予選が悪いと決勝レースがいい。
上位からスタートしたレースではことごとく序盤にミスやトラブルで後退。
今回も予選順位が良かったので心配していたのだが、スタート直後の1コーナーでコースアウト。
抜きどころのない鈴鹿で万事休すとなった。
今年は何回、同じシーンを目にしたことだろう。
琢磨はクリエンがインから来たのを牽制しようとしてスペースを消そうとした。
でもクリエンがそのまま引かなかったので、少しハンドルを戻したんだろうな。
そうしたら、ほんの少し戻しすぎてアウトへはらんでしまったみたいだ。
その後、シケインでツゥルーリのインに飛び込んだが、止まりきれず激突。
ツゥルーリはサイドポッドを壊し、リタイヤとなった。
この事故により琢磨は日本GPの成績を抹消されてしまった。
でもこのシーンはそんなに琢磨だけが悪いようには見えない。
琢磨はシケインの入り口でツゥルーリのインに飛び込んだが、ツゥルーリは完全にインのスペースを閉じてしまい、琢磨は行き場所がなくなりブレーキをロックさせてぶつかったように見える。
もしツゥルーリが琢磨のスペースを1台分残していればこんな結果にはならなかっただろう。
ツゥルーリがインを開けていた場合、琢磨が止まり切れていたかはわからないが、飛び込んできたらインに1台分のスペースを空けるのがマナー。
一方的に琢磨が制裁を受けるのは、少し理解できないが今年の琢磨は他車と絡むことが多いから、ペナルティを課したんだろうな。
このペナルティで琢磨は最終戦中国GPの予選を最初に走ることになる。
琢磨のBARホンダ最後のレースは苦しい戦いとなりそうだ。
▽ホンダとトヨタ
天候を見方につけてラルフとバトンはフロントローからのスタート。
ラルフは3ストップを選択したが、これは無理があった。
3ストップはベストのドライバーとベストのマシンがあって初めてできる作戦だ。
簡単に言うと軽いマシンで予選アタックを毎周、しかもレース最後までおこなう作戦。
惜しむらくは、セーフティ・カー導入が意外に長引いたことだ。
ただこれがなくても今のマシンで表彰台は無理だっただろう。
バトンも一時はトップを走ったが、最後は5位でフィニッシュ。
もし勝っていればBARの名前も歴史に残ったのに。
ウェバーに前に行かれたのは予想外だったが、ルノーとマクラーレンに歯が立たない現状ではこの順位で満足するしかない。
しかし最後のピットインを同時にしたバトンとウェバーだったのに何で前に行かれるのかBAR?
ウェバーが燃料を残して入ってきたとは思えないのだが。
BMWよりホンダの方が極端に燃費が悪いとは思えない。
BARは最後の最後まで戦略やオペレーションを洗練させることができなかったね。
▽中国GP
いよいよV10エンジン最後のレースです。
BARホンダとザウバーにとっても最後のレースです。
ひっとしたらミナルディとジョーダンも最後か?
移籍するドライバーも多いので、彼らにとって最後のレースが素晴らしいGPになるように願っている。
- ホンダ38年ぶり完全復活
- 2005 F-1 Rd19 中国GP観戦記
生中継でしたね
史上初となったF1日本GPの生中継。
気になる視聴率は…?
琢磨とヤルノの事故、もう一度考えてみましょう。
やっぱり君が代が聴きたかった…
2005年F1日本GP。
レース中の興奮もだいぶ収まり、レース後のがっくり感からもだいぶ回復したので、今現在の感想などを最新情報とともに書いてみたいと思います。