スーパーアグリ、もう一つの難題
スーパーアグリのF1申請が認められなくてもうすぐ一ヶ月が過ぎようとしている。
問題の一つだった全チームからの承認も得られ、資金のメドもついたようだ。
ホンダはエンジンだけではなく、資金面でもサポートする意志があることを福井社長が表明した。
手続き上のミスと言われていたスーパーアグリだが、未だに本当の理由が伝わってこない。
書類上のミスならば、お金も用意できたし、全チームからの承認も得られた。
何も問題はない。
すぐに参戦が認められるだろう。
しかし、スーパーアグリが再申請したという話しも聞こえてこないし、FIAが審査を開始したという話しも聞かない。
スーパーアグリとしてはスポンサー契約の話しや、人材のリクルートなどやるべき事が山積みになっている。
2006年シーズンへの参戦が認められなければ、スポンサー契約も結べないし、人を雇うことも難しい。
しかし、これらは解決可能な問題だ。
参戦さえ認められれば。
しかし、参戦が認められても解決しがたい問題が一つある。
それはシャシーをどうするかだ。
今のF1では、チームは自らオリジナルのシャシーを作成しなければならない。
つまり他からクルマを買ってきて、参加することは許されないのだ。
一説によると、5年くらい前のアロウズのマシンを買い取り、それを改造してホンダエンジンを搭載すると言う。
しかし、これはどう考えても無理がある。
まず当時より今の方がクラッシュテストが厳しくなっている。
これは改造すれば対応可能だろう。
しかし、一番の問題はこのクルマが遅いのが明白なことだ。
1年落ちのマシンですら、大幅な改善をほどこさないと競争力は失われる。
それほど開発スピードの早いF1で5年前のアロウズのマシンでは、とても競争にはならないだろう。
おそらく、クラスが違うほど遅いだろう。
下手をするとフォーミュラニッポンより遅いかもしれない。
かといってBARのマシンを買い取ることも、ルール上では出来ない。
一からデザインして、開幕まで間に合わせることも不可能だろう。
今のマシンは、アルミの板を折り曲げて作っていた時代ではない。
考えられらるのは、どこかのコンストラクターに製作を依頼することだ。
BARも初期のシャシーはレイナード製だった。
ただこれも既に設計図があればできるだろうが、最初から線を引くとなると開幕には間に合わせるのが厳しい。。
不可能を可能にする男、鈴木亜久里氏があればこの難局を乗り切ってくれると思う。
だがF1参戦への道はまだまだ険しく遠いようだ。
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