まったく期待できないはずだったアメリカGPでマクラーレン・ホンダが6位入賞した。
これは今年のベストリザルトである。しかもオープニングラップで接触し、最後尾まで落ちたアロンソもパワーユニットのトラブルがなければ入賞できていたかもしれない。
ただこの結果を素直に喜べないのも事実である。今回は濡れた路面から路面が乾く難しいコンディションであった。こうなると2人のベテランドライバーは真価を発揮できる。さらにセーフティカーが何回も入る難しい状況を2人のワールドチャンピオンは見事にまとめてくれた。
そうとは言えマクラーレン・ホンダの問題がなくなったわけではない。アップグレードされたPUを搭載したアロンソはパワーアップを実感したものの、タイムアップは0.1秒であると述べている。PUで0.1秒差が縮まるということは約10馬力しかパワーアップしていないわけである。
雨の中でおこなわれた予選でアロンソは11位、バトンは14位だった。PUのパワー差が出にくい雨のコンディションのタイムを見るとマクラーレンのシャシー側の問題点も見えてくる。ホンダばかりが非難されるがマクラーレンのマシンもそれほど優れているわけでないことがわかる。もしPUが問題であるのであればレッドブルのように上位につけられたはずだ。
そう考えるとホンダだけでなく、マクラーレンにも課題は多い。彼らは昨年メルセデスのPUを搭載していたにも関わらず優勝できていないし、もう何年も勝てていない。
それが栄光のチームの実態である。来年の開幕までにしなければいけない仕事は多い。