2017年からの新エンジンは実現するのか?
FIAは2017年から2.2リッターのターボエンジンを導入すると発言しているのだが、これは実現するののであろうか。
現在、FIAとバーニー・エクレストンはパワーユニットの価格を10億円程度に抑えようと画策しているのだが、これはフェラーリが拒否権を発動して、実現しなかった。フェラーリはその歴史的な存在から、拒否権を認められている。
その為、FIAとバーニーはその対抗策として2.2リッターのターボエンジンを安価な価格で提供しようとしている。このエンジンは現在のエンジンより規制が緩く、比較的簡単にパワーを出せると思われている。その結果として安価に提供できるというわけだ。
だがそうするとF1には二つのエンジンルールが存在することになる。かつても二つのエンジンルールが混在していた時期があった。一番有名なのはホンダが大活躍したターボ時代。当初は3リッターの自然吸気エンジンと1.5リッターのターボエンジンが混走していた時期があった。当初は壊れまくっていた少数派のターボエンジンが、その後自然吸気エンジンを駆逐したことを記憶されている方も多いと思う。
だがこんな新しいエンジンが導入されたらメルセデスやフェラーリはどうするのだろうか。当然彼らが莫大な資金を投入して開発したエンジンが新しい市販エンジンに負けることも出てくるだろう。そんなことは彼らにすれば納得がいかない。
最悪は撤退の可能性もあるだろう。だがFIAはメーカーの撤退を望んでいるとも思えない。F1のステータス確保のためにはメーカーの存在は欲しいからである。
ではFIAとバーニーはどう考えているのだろうか。彼らも真剣にこの新しいエンジンを導入する気はないと思う。彼らはあくまでも既存のメーカーにエンジン代金をかつての自然吸気エンジン時代並みにするための、取り引きのカードに使いたいと考えている。
そしてフェラーリとメルセデスと取り引きして、エンジン代金の値引きを勝ち取ろうとするだろう。
本当にF1の世界は魑魅魍魎の住む世界である。
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