もう一人の勝者 ベッテル
このレースにはもう一人勝者がいた。それは最後尾から5位になったベッテルである。彼は予選Q1でまさかのアンチロールバーが壊れるトラブル。トラブルに気がついたベッテルだったが、チームはアンチロールバーがなくてもQ1を突破するタイムを記録できると考えて、そのままベッテルに続けてアタックさせた。
だがマシンはコーナー部分で三輪状態になりまともに走ることができず、ピットインして修復を試みたがギリギリで間に合わずQ1で脱落。最下位スタートとなった。この順位によりベッテルはPUをギアボックスを交換してレースにのぞんだ。
ベッテル以外のドライバーがウルトラソフトかスーパーソフトでスタートする中、ベッテルはソフトタイヤをチョイス。このソフトタイヤでじっくりと走りながら、前を走るマシンが10周を過ぎてタイヤ交換を始めると順調に順位を上げる。そして24周目に新品のウルトラソフトに履き替えるといいスペースを確保して好タイムを連発し、前のマシンを抜き始める。
そして彼は3ストップのフェルスタッペンや事実上の1ストップだったペレスを抑えて5位フィニッシュをとげた。これはこの抜きにくいシンガポールGPでしかも、セーフティカーが最初に一回だけでたという条件の中では最高の走結果である。もしレース後半にセーフティカーが出ていればベッテルには勝利の可能性すらあったのだから。
今年作戦面でミスの多かったフェラーリにとって今日のレースは大成功といえる作戦となった。
- 総合力のメルセデス 波乱のシンガポールGPを制す
- アロンソ素晴らしい走りで7位