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あなたにとってのグレート・レースはどれだ?

1997_VILLENEUVE_7-renault_history F1において真実が語られることは少ない。特に最近のドライバーはメディア慣れ、インタビュー慣れしており、いつ誰に話を聞いても同じ事しか話さず、つまらない。そして実はあの時こうだったとかという話は時間を経てから明らかになることも多く、その話はとても興味深い。 そしてF1の歴史に名を残すドライバー達が自分自身のベストレースを振り返る映像が完成した。 %e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-12-06-23-35-51 ニキ・ラウダ、アラン・プロスト、ナイジェル・マンセル、ベルガー、アロンソ、バトン等々の名ドライバーやレジェンド達が自分自身のレースを振り返りながら語る真実。彼らの勝利数は合わせて計192勝、獲得したドライバーズ・タイトルはなんと12回。その彼らが、自らのレースについて語る。 ニキ ラウダが史上最少得点差たったの0.5ポイント差で3回目のチャンピオンを決めた1984年のエストリルテ開催されたポルトガルGP。ここで彼はレース中にターボが一機故障してブースト圧をあげられなかった事実を上げている。それでも2位にならなければ、チャンピオンになれないラウダは後方から徐々に追い上げていき、他車のトラブルやミスにも助けられて2位の座を獲得。アラン プロストを僅か0.5振り切って3回目のチャンピオンに輝いた。 また1990年のアリゾナ州フェニックスの開幕戦アメリカGP。ここでほぼ新人のジャン アレジがセナを向こうに回しての大バトルを繰り広げて、大きなセンセーションを巻き起こした。彼の乗るマシンはティレルでとてもトップを争えるマシンではない。 経験もほとんどないアレジが、世界チャンピオンのセナを相手に、しかもクリーンなバトルを繰り広げたのだから話題にならないわけはない。そしてこの映像の中でアレジ自身が、開幕戦でトップ争いができるとは考えもしなかったと述べている。 ちなみにこのレース、ミナルディがフロントロウからスタートしているトリビアな映像も楽しめる。 さらにはマンセルファンなら痺れる1987年シルバーストーンでのイギリスGP。タイヤ交換をして遅れをとったマンセルが地元ファンの後押しを受けて、天敵ピケを抜き去る場面は今見ても鳥肌が立つ。レース後、地元ファンに囲まれて興奮のるつぼへと化すシルバーストーン。そのレースをマンセル自身が当時を振り返りながら語る。 他にも1997年の最終戦 ヘレスで開催されたヨーロッパGP。ジャック ビルニューブがミハエル シューマッハがぶつけにくることを予想していた話などは、当時は語られておらず、とても面白い。 残念ながら本人が語ることのないセナやシューマッハのレースはない。 だがF1の歴史に名を残す名レースの数々を当事者のドライバー自身が語る映像は貴重で興味深い。 あなたにとってのベストレースはどれだ?