シークレットF1 Vol.4 楽勝なんてありえない
匿名の人物にF1の内側を赤裸々に語ってもらう「シークレットF1」。今回はあるエンジニアに語ってもらいます。
楽勝なんてレースはほとんどない。まぁ、マシンが良ければ年に1回か2回はあるけど(笑)。でも楽勝ペースでも、トラブルはいつもで起こりえるからね。今のF1マシンはパッケージがタイトなんだ。シミュレーション技術が発達して、追い込めるようにはなったんだけど、それが逆に許容範囲を狭めている。その方が競争力あるんだけど、心臓に悪い。
ドライバーによってはペースを落とせと言っても、落とさないやつもいるし、心臓がいくつあっても足りない。
特に昨年のようにライバル間の差が少なく、タイヤが予想不可能な時はね。みんなは楽勝楽勝っていうけどね。楽に勝てるレースなんてありはしない。ライバルだって必至なんだよ。
それにレースウィークエンドが楽に見えると言うことは、その前の準備が良かったと言うことでもある。それは褒め言葉なのかもしれない。楽勝と言われると、少し悔しいけど。でも準備段階ではものすごくハードワークをしているんだ。それは工場の人間の成果だ。彼らは決して目立ちはしないけど、素晴らしい仕事をしている。
ドライバーがチームの全ての人に感謝していると言うと、それを社交辞令というかもしれないけど、本当にそうなんだ。全ての人間が一体になれるからこそ、チームは勝てるし、勝ち続けられる。
その為にはチームのトップがしっかりしていないとだめ。本当にチーム代表がしっかりしているかどうかで、チームはがらっと変わる。だいたい考えても見ろよ。年間20レースもしながら最後は数ポイント差でチャンピオンは決まるんだぜ。ほんの少しの差が勝負を分ける。
そういう意味ではF1も一般の会社も変わらない。俺は一般の会社に勤めていたこともあるから、それはよくわかる。逆にF1チームでしか働いたことのないやつは、難しいかもね。
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