2016年シーズンで知りたいことーその7 フェラーリは完全復活できるのか
フェラーリ会長のセルジオ・マルキオーネはフェラーリの開発が遅れていると述べている。彼らは2015年型マシンの開発をシーズン遅くまで続けた為に、2016年用マシンの開発開始時期が遅れたと話している。
このことは今年、メルセデスに挑戦することを目的にしているフェラーリに取って大きな影響を及ぼすのであろうか。
通常F1チームが開発のリソースを来年度用のマシンに完全に移行するのは8月頃である。そして製作されたシーズン最後のアップデートパーツが9月のシンガポールGPあたりで持ち込まれてくる。
ただしタイトル争いに絡んでいれば話は別である。昨年のフェラーリは少なくとも計算上はシーズン終盤までタイトルの可能性を残していた。そのため彼らはシーズン後半になっても開発を継続していた。
開発の開始が遅れれば当然、マシンの完成時期も遅くなるのが普通である。だがマルキオーネはフェラーリには開発を早くできるお金も人材もあるので、追いつくことが可能であると話している。
確かにフェラーリには資金面でも人材面でも豊富なリソースがある。だが今のF1は自由に開発できるほど簡単ではない。
今は風洞実験にしても使用時間制限がある。そのためどれほど人とお金があろうと少なくとも空力的な開発については制限がかかる。
だがフェラーリには奥の手がある。それが今年新たに参入するハースである。彼らはまだF1に参加していないので、この制限がない。そしてハースはフェラーリと協力関係にあり、フェラーリの風洞施設を使用して開発を続けている。
だが誰がこの実験がハースのもので、どれがフェラーリのものと決められるのであろうか。そうつまりハースの実験と称してフェラーリの実験も出来てしまうのである。
そのためメルセデスは昨年、FIAに風洞実験に関するルールを明確にするよう申し出ている。
それに開発が遅れて、最初のテストが出来なくても、チャンピオンになった事例はある。近い例だと2009年にブラウンが、2010年にレッドブルが最初のテストに新車を持ち込めなかったが、ともにダブルタイトルを獲得している。
さらに2015年と2016年の空力的なルールは大きな変化がない。つまり2015年用マシンに開発したデータやパーツは今年も活かせるのである。
まだまだティフォッシ達は夢を見てもいいようである。
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