2007 Rd1 オーストラリアGP観戦記
▽ライコネン圧勝とハミルトン3位
いよいよ、2007年シーズンが開幕した。
ミハエル・シューマッハーの引退を受け、新時代のF1が開幕しそうな予感が一杯のオーストラリアGP。
結果的にフェラーリに移籍したライコネンが戦前の予想通り圧勝した。
だが、それ以外にもハミルトンの活躍やスーパーアグリF1の躍進、ホンダの不振など多くの話題があった。
そこで毎年、恒例だがチーム別に今回の結果を基にして、今シーズンを占ってみよう。
フェラーリ
シーズン前の予想通り抜群のスピードを見せてくれた。
ライコネンは一時予選で、他を1秒以上引き離す驚異的なタイムを見せた。
燃料搭載量の違いがあるとはいえ、かなりすごいタイムだった。
マッサがギアボックストラブルにより、予選第二ピリオドで脱落したが、ライコネンは完璧なレースを見せて幸先良くシーズンの1勝目をあげた。
今シーズン、フェラーリは他のチームがとは違うアプローチをしてきた。
昨年型に比べ85mmもホイールベースを延ばしてきた。
これは通常、考えられないほどの変化だ。
ニューマシンを最初に見たときは、さしものフェラーリも失敗したかと思われたが、結果的には独走。
本当にクルマの設計は難しい。
ライコネンはテスト期間中にマッサのタイムとの比較されると、テストでタイムを競っても意味がないと取り合わなかった。
今回も第二ピリオドのタイムについて聞かれると、第二ピリオドなんか通過すればいいんでしょというような発言もあり、相変わらずのアイスマンぶりを披露してくれた。
そして、開幕ではきっちりと結果を出してくるあたりはさすがだ。
現行のポイントシステムでは、序盤にリードを築いた方が有利なので、当面はフェラーリ中心にチャンピオンシップ争いが繰り広げられそうだ。
ただ心配な点は、二台完走したマクレーレンに対し、マッサにトラブルが発生したフェラーリ。
現行のポイントシステムでは、リタイヤはかなり痛い。
シーズン中には修正してくるとは思うが、そこが少し心配だ。
マクラーレン
ハミルトンは想像以上に素晴らしいドライバーだった。
もちろん、マクラーレンのマシンがいいのはもちろんあるが、3位という結果以上に感銘を受けた。
それは、ドライビングが安定しているのに、タイムをきっちり出してくるところだ。
これは過去の偉大なドライバーが共通して持っている能力だ。
これは、一か八かで攻めていないと言うこと。
マシンを完全にコントロールしているにかかわらず、タイムが出せるのはなかなかできないことだ。
予選でもその時点では、アロンソよりいいタイムを出していた。
最終的にアロンソにかわされたが、それでも堂々の4位グリッド。
このワールド・チャンピオンと互角に渡り合うのは至難の業。
それをデビューレースで、淡々とこなしていくことは、彼が優れたドライバーであることの証明だ。
昨年、フィジケラが何回ハミルトンのようなパフォーマンスを見せたことだろう。
それを考えるとこの若者は、既にこのベテランドライバーを上回っているとも言える。
スタートでもアロンソをアウトからかわし、レース中もアロンソをリードしていた。
結果は3位だったが、デビューレースでライコネン、アロンソに次ぐ3位は望外の結果だろう。
この二人を倒すことができれば、そこにはチャンピオンの座が待っているのだから。
これでは、アロンソもうかうかいていられない。
正直、ハミルトンがここまで速いとは思わなかった。
過去には、チームが大事に育てたドライバーはダメだったことも多かったのだが、これは本物だ。
ロン・デニスが今年デビューさせたがったのは、よくわかる。
今シーズン終了するまでにどこまで、成長しているか楽しみである。
思っていたほどフェラーリとの差がなかったという印象もあり、マクラーレンがどこまで追いかけてくるかが今後のポイントとなりそう。
ホンダ
かなり攻めたマシン作りをしてきたホンダ。
結果的に、そのマシン作りは外れた。
スーパーアグリF1より予選結果が悪かったのは少なからず驚いたが。
シーズン前から不調は聞かされていたが、ここまでひどいとは想像できなかった。
このアルバートパークサーキットはハードブレーキを多用するので、ブレーキング時の安定感が欠ける今のホンダにとっては難しいサーキットの一つだ。
対策部品も多く投入されるようだし、次戦以降はもう少し良くなると思うが、これが空力的な問題なのか、シャシーが良くないのかまだ不明だ。
ホンダは空力的な問題だと言っているが、もう少し事態は深刻なような気がする。
次戦以降、ホンダがどのような抜本的な対策を打ってくるのか注目したい。
ひどい結果に終わった開幕戦だが、私は長い目で見れば良かったと思う。
それは、ホンダがチャンピオンを狙うために攻めたマシンを作ってきた結果、このリザルトになったから。
昨年までのBARのマシンを私は、まったく評価しません。
それは、そこそこ走るマシンを作ろうというのが、見えていたからです。
でも、今年のマシンは違います。
勝つか負けるかはっきりしたマシンを作ってきた。
結果的には惨敗ですが、マクラーレンだって、フェラーリだって、ウィリアムズだって、みんなどん底の時期を経験して、栄光を手にしているのです。
表彰台に乗れればラッキー的なマシンであれば、ホンダももっと簡単だったでしょう。
でも、勝ちたいから攻めたマシンを投入した。
その結果、ダメだった。
であれば、これから開発を続けて速くすればいいし、この経験を来年のマシンに活かせばいい。
問題はそれをまとめる人がいないと言うこと。
中本氏はリーダーとしては優れているが、F1をデザインした経験がない。
だから、経験のあるリーダーを社内に捜すか、社外から引き抜くかしないと迷走は続きそうな感じがする。
個別のパーツがどんなによくても、コンセプトが間違っていればマシンは速くならない。
今年、ロングホイールベースのフェラーリが独走しているのを見るとコンセプトというのがいかに大事かよくわかる。
トヨタ
ここはホンダとは対照的に、そこそこ走るマシンを投入しました。
今回、8位入賞しましたが、もはや全然喜べないでしょう。
毎年そうなのですが、トヨタはよくても表彰台止まりのマシンです。
これはやはり社風なのか。
今年、トヨタはモータースポーツ活動開始50年の記念すべき年で経営レベルの人は、勝利を求めているらしいのですが、これでは今年も期待できそうにありません。
毎年同じことをやっていては、同じ結果しか生まれません。
結果を変えるには、行動を変えるしかありません。
私がホンダの結果が悪くても、評価するのはその点です。
一方、トヨタは行動を変えないで、結果だけを求めているように思います。
もちろん、トヨタ関係者の方々は勝とうと真剣だと思いますが、レースを見ててそれを感じることはほとんどありません。
残念です。
スーパーアグリF1
いやいや、ここまでいいとは驚きです。
マッサやコバライネン、ホンダ二台が脱落したとはいえ、第三ピリオド進出を予想した人は、本人達を含めて誰もいなかったでしょう。
決勝では12位でしたが、8位のラルフ・シューマッハーとの差は大きくはありませんでした。
このマシン、ぶっつけ本番なのだから、これからが楽しみ。
開発力は他のビッグチームより劣るので、序盤でなんとか初ポイントを目指したいところです。
そうなると気になるのが、カスタマーカー問題。
見たところ2006年型のホンダに似ているような気がするような、しないような。
そして予選終了後、予想通りスパイカーが提訴しました。
でも、トロロッソに対しては提訴しなかったようなので、速いスーパーアグリをねらい打ちです。
実際問題、これはレギュレーションの問題でなく、コンコルド協定の問題です。
レギュレーションには、コンコルド協定を遵守するように明記されているので、まったく関係ないとは言えませんが。
だから、バーニー・エクレストンの気分次第という感じです。
スパイカーが提訴するのも、お金の問題が大きいと思います。
バーニー・エクレストンは分配金を上位10チームにしか配分しません。
9位や10位のチームにとってはこのお金が入ってくるかどうかは死活問題だからです。
ルノー
良く悪くもない結果。
もし、アロンソがいればこれでも表彰台にはきただろうから、このチームの問題はやはりドライバーとなる。
コバライネンが伸びてこないと今年は厳しいそう。
開幕前は、ハミルトンよりコバライネンの方を買っていただけに、意外な結果でした。
ウィリアムズ
トヨタエンジンを搭載した初戦でしたが、結果はニコ・ロズベルグが7位フィニッシュ。
トヨタの二台より前でフィニッシュた。
久しぶりにレースドライバーに昇格したブルツはクルサードとの接触でリタイヤ。
共に予選は第二ピリオドで脱落しており、もう少しスピードが欲しい。
BMW
こちらも戦前の予想通り、好調をキープ。
予選3位、5位をゲットし、決勝でもハイドフェルドが4位に入賞しました。
こちらも、開幕前に心配されていた信頼性の問題が発生。
ただ、信頼性は徐々に改善することができるだろうから、あまり心配する必要はないだろう。
遅いが信頼性のあるマシンと、速いが信頼性のないマシンだったらほとんどの人が後者を選ぶだろう。
この後は熱い、マレーシアGPとバーレーンGPが続く。
信頼性が大きな鍵を握りそうだ。
【編集後記】
毎年、毎年楽しみな開幕戦。
今年はポストミハエル時代の初戦と言うこともあり、注目が高かったと思います。
エンジンの回転数制限のせいか、リタイヤが少ない開幕戦でした。
琢磨が序盤10位を走っているときには、後2台壊れれば入賞だとか思っていましたが、ダメでした。
これだけ上位陣が壊れないと、中団以降のチームには厳しいですね。
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今回発売するのは4枚ドアになるようで、2枚にはならないらしい。
今までのタイプRの中でも一番早いらしく、とても興味がそそられる。
金持ち父さんロバートキヨサキ
ロバートキヨサキのファイナンシャルインテリジェンスの活用情報サイト
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