ライコネン 逃した表彰台
ライコネンが表彰台を逃したといってもボッタスとの接触で、表彰台を失ったといいたいわけではない。
ライコネンは最終ラップでギャンブルをしなくても表彰台を確保できていた。
金曜日が雨に見舞われたこともあり、ロシアGPのタイヤの寿命は不透明な部分もあったが、昨年の経験もありほぼ全車が1ストップでいけると予想されていた。ソチ・サーキットの路面は滑らかで、タイヤへの攻撃性がとても低いからである。
レース前、ソフトタイヤは40周ほどもつと思われていた。となるとタイヤ交換の最初のウィンドウが開くのは12周から15周目であった。
12周目にセーフティカーが入った時にペレスも含めて4台だけがタイヤ交換をおこなった。これはソフトは40周もつと予想されていたが、練習走行不足で実際のタイヤデータが不足していたからである。最後までタイヤがもつかどうか自信がないので、保守的に判断したのである。
この時、ライコネンはベッテルを後ろに従えて、3位を走っていた。だがペースはベッテルの方が良い。この時、フェラーリがライコネンをピットに入れていたらどうだったか。
ライコネンはペレスよりも前にいたので、論理的に考えるとレース終盤までペレスの前で走行できていた。ボッタスがペレスを抜いたのはレースの2周前なので、この時点でペレスよりもペースのいいライコネンがウィリアムズの前、3位でフィニッシュできていた可能性は高かった。
今年のフェラーリは作戦面でとてもうまくやっている。性能では敵わないメルセデスに対してもタイヤ交換時期を工夫して、戦ってきた。それだけに今回の判断はとても残念である。
- マクラーレン・ホンダ 望外の入賞
- またも保守的なウィリアムズ 表彰台を逃す