開幕3戦をシーズン前の評判通りに圧勝して見せたメルセデス。彼らの強さの秘密はどこにあるのだろうか?
メルセデスの強さの秘密と探す前に他のチームを見てみたい。ライバルの強みと弱みを検証することで、メルセデスの速さの秘密の一端に触れることができると思うからである。
開幕戦のオーストラリアGPでは好調で、2台とも表彰台に登ったマクラーレン。またウィリアムズもボッタスのミスがなければ表彰台を狙えるペースがあった。だが彼らはどうしてマレーシアで上位にくることができなかったのか?
まずはサーキットの性格の違いを上げなければならない。オーストラリアGPの舞台となるアルバート・パーク・サーキットは、典型的なストップ&ゴー型のサーキットである。高速コーナーは皆無で中速コーナーも数えるほどしかない。つまり空力の効率はあまり問われない。簡単にいうとパワーがあれば速いサーキットである。
もう一つのマレーシアGPが開催されたセパン・インターナショナル・サーキットは長い直線もあるが、中高速コーナーも多く含まれ、マシンの総合力が試される。ここでは空力の性能も問われてくる。これだけもみてもマクラーレンとウィリアムズの長所と短所ははっきりとしている。彼らの強みはメルセデスのパワーユニットである。一方、マシンの方は普通である。
一方、フェラーリとレッドブルはマクラーレンとウィリアムズとは好対照である。彼らはオーストラリアGPよりマレーシアGPの方がペースが良かった。これも簡単な話で彼らのパワーユニットはパワー不足で、マシンの性能でそれを補っている。
特に顕著に表れるのがセパン・インターナショナル・サーキットのセクター2である。ここは中高速コーナーが続き、マシンの空力性能が問われる。このセクター2のベストタイムで、レッドブルはリカルドが2位、ベッテルが4位。フェラーリの2台は5位と6位である。ちなみに1位と3位はハミルトンとロズベルグである。
これでレッドブルは空力性能ではメルセデスと互角であることがわかる。つまりレッドブルとメルセデスの差はパワーユニットの差である。
ちなみみマレーシアGPの全セクターのトップタイムはハミルトンである。メルセデスはパワーユニットの出力も大きいし、マシンの性能もいい。だから彼らは圧勝できる。当たり前の話ではあるのだが、数字を見てみるとわかりやすい。
バーレーンGPはストレート部分が4カ所あり、パワーが重要なサーキットであるので、メルセデス勢が有利であった。それでもメルセデスAMG速さは異次元で、彼らの勝利はしばらく続きそうな気配である。