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2007 Rd.6 カナダGP観戦記 荒れたレースとハミルトン初勝利

4度のセーフティーカー(SC)導入と、荒れに荒れたカナダGP。 その中でハミルトン一人が何事もなかったかの様な少し奇妙な初勝利だった。 ポイントはやはり予選だった。 アロンソの最後のアタック。 第二セクター終了までは、アロンソの方が速かった。 アロンソの方がハミルトンより後で、アタックしたので、路面状況は有利。 だから、アロンソの逆転ポールを予想していたのだが、結果は二位。 彼によるとヘアピンでミスをしてタイムロスをしてしまったようだ。 ほとんどミスをしたないアロンソにしては珍しいミスだった。 だが、これもハミルトンが速いからこその焦りなのか。 これで二位スタートになったアロンソはスタート直後の1コーナーでコースアウト。 ハイドフェルドにも前に行かれて厳しい戦いをしいられる。 その後も、ペースが上がらないアロンソだったが、一度目のSC導入時にピットイン。 3位で戻り、再び勝機が見えてきたその時、ピットクローズ時に燃料補給したとして10秒間のピットストップのペナルティ。 これで彼が勝つ可能性はなくなってしまった。 残りの燃料がなく給油しなければガス欠になるので仕方なかったとはいえ、このペナルティはかなり高く付いてしまった。 これがなければ2位は狙えていたと思う。 だが、そこからもアロンソのペースは上がらない。 何度も1コーナーでコースアウトを繰り返し、その度にタイムロスし、順位を落としていく。 スタート直後の1コーナーでは汚れたコースを走ったのが原因だと思っていたが、どうもそうではないらしい。 一時はファーステストラップをたたき出すなど、反撃を試みたがソフトタイヤをはいた最後の第三スティントでペースが上がらず、結局7位でフィニッシュ。 一方のハミルトンはスタートでトップに立つと、そのまま独走。 四度のSCにも関わらず、何事もなく勝ってしまった。 恐らくハミルトンだけを映すTVがあれば、カナダGPは淡々としたレースだったと記憶されるだろう。 6戦目での初勝利。 でも、驚きはない。 フェラーリとアロンソが自滅した以上、彼しか勝てるドライバーはいなかったのだから。 今まで通り、淡々と走りきり初優勝を遂げた。 ただ、いつもクールなハミルトンも勝利の直後には20歳らしい雄叫びを上げていた。 さてこのドライバーは現役時代にいくつ勝つのか想像が付かない。 まだ1勝しかしていないが、彼の年齢を考えると、ミハエルの記録に最も近い男と言っても過言ではないかもしれない。 これでハミルトンはアロンソを8ポイントリード。 これまで全て表彰台という安定した成績を残しているハミルトンにとって、これは大きなプレゼントとなろう。 アロンソを含めた他のライバルはこれからポイントを落とせないレースが続く。 ▽自滅したフェラーリ 今回の敗戦は、フェラーリにとってかなり大きなダメージとなりそうだ。 前回のモナコは、特殊なサーキットなので、負けても大きなショックはない。 だから、フェラーリは今週、巻き返しを図っていたはずだ。 ところがフリー走行からマクレーレンには追いつくのは厳しいことがわかってきた。 その為、、前回同様マクレーレンの次の三位狙いがマッサとライコネンの狙うポジションだったのだが、予選ではハイドフェルドに3位を奪われライコネン4位、マッサ5位に沈む。 決勝レースでもハイドフェルドには追いつけず、ライコネンのペースは全然上がらない。 実は、ライコネンは序盤で、フロントウィングをマッサに当ててしまい、バランスが崩れていた。 その為それ以降はペースが上がらず、レース中盤で佐藤琢磨の後ろを走っていたときでさえ、追いつくことが出来なかった。 幸運にもアロンソが後退したにもかかわらず、マッサはなんとピットアウト時に赤信号を無視して失格になり、痛い無得点。 これは、今年から採用されたレギュレーションなのだが、SCとF1の隊列がピットレーン出口を走行する際に、赤信号が表示される。 その間はピットレーン出口で止まり、隊列が通り過ぎ、信号が青に変わるまで待たなければならない。 マッサとフィジケラは赤信号にもかかわらず、合流してしまったので黒旗を提示され失格となってしまった。 ペナルティとしてはかなり厳しい。 それほど危険とは思われなかったので、有無を言わさず失格処分にするとは予想できなかった。 気のせいかもしれないが、ミハエルがピットに来るとライコネンにプレッシャーがかかっているような気がしてしょうがない。 元々、ライコネンの契約は社長のモンテツェモーロが主導した経緯がある。 ミハエルは今年も走りたかったが、ライコネンと一緒に走るのは嫌だった。 ミハエルとトッド、ブラウンなどが支配するF1チームにおいて主導権を取り戻したかったモンテツェモーロは、なかば強引にライコネンと契約。 結果、ミハエルは引退を選択した。 そう言う経緯があるので、ミハエルがピットに顔を見せると、ライコネンには見えないプレッシャーがかかっているのではないか。 でないと、モナコのプールサイドシケインでイン側を引っかけるなどと言う、あり得ないミスをライコネンがする理由がわからない。 ライコネンはかろうじて5位になったが、ハミルトンとの差は21ポイントに開き、ひっくり返すのはぎりぎりのポイント差になってきた。 マッサとハミルトンとの差は15ポイント差でこれもかなり厳しい。 しかも、マクレーレンのマシンがフェラーリよりも良くなってきていたとしたら、フェラーリの二人がマクレーレンを逆転することは難しい。 次はフェラーリが得意とするUSGPだが、頼みのブリヂストンタイヤはマクレーレンにも装着されており、次も勝てなければフェラーリは絶体絶命のピンチに陥る。 ▽ハイドフェルド、ブルツ表彰台 ハイドフェルドは予選から素晴らし走りを見せてくれた。 マクレーレンの二台の後ろの三位を得て、決勝でもアロンソが脱落した後は2位を悠々キープして、フィニッシュ。 クビサの大クラッシュで、沈痛な雰囲気だったBMWに朗報をもたらした。 これで来年のハイドフェルドの続投は決まりだろう。 大クラッシュしたクビサは、軽い脳しんとうと足のねんざですんだらしい。 あのクラッシュでこの軽傷は奇跡的ともいえる。 トヨタに押し出される形で、コースアウトしたクビサのマシンは地面すれすれを飛ぶような形になり、スピードがほとんど落ちない状況で、ウォールに突っ込んだ。 しかも、ちょうどタイヤバリアのない場所だった。 その為、クビサのマシンはほとんどスピードが落ちない状態で壁にぶつかった。 幸い、壁に角度が付いていたので、マシンが斜め前に飛ばされ、回転しながらマシンのスピードが落ちたことだろう。 モノコックは形がしっかりしていたので、大丈夫と思われたが、止まった直後にクビサが動かなかったのでかなり危険な状況が想像された。 結果的に軽傷で終わったのは、不幸中の幸いだ。 あのクラッシュで、軽傷というのだから今のF1の安全性には感心させられる。 ただ、軽いとはいえ脳しんとうなので、来週のUSGPには乗らない可能性もあると思う。 荒れたレースとはいえ、ブルツが三位になるとは誰も想像できなかっただろう。 ウィリアムズにとって二年ぶりの表彰台。 トヨタエンジン搭載後、最高のリザルトだ。 予選20位で、決してラップタイムも良かったわけではないのだが、戦略とSCの登場時期がぴったりはまった。 走り的にはニコ・ロズベルグの方が良かったのだが、アロンソ同様にSC導入時に燃料補給してペナルティをもらってしまった。 本当にレースには何があるかわからない。 今でもブルツが三位という結果を見ると、不思議でしょうがない。 ▽琢磨アゲイン 佐藤琢磨がまたまた、やってくれた。 予選11位でスタートした琢磨は常に入賞圏内をキープ。 四回目のSC導入時に琢磨は自分の判断でピットイン。 ソフトタイヤを履いて数周走り、再度ピットに戻りハードタイヤに履き替えて再スタート。 レース終盤、ソフトタイヤを履いて苦しむアロンソをストレートで追い抜きスーパーアグリF1の最高位である6位を得ることに成功した。 ピット戦略次第では、4位くらいまではいけたかなとも思えるが、それでも素晴らしい結果には違いがない。 ディビッドソンも惜しかった。 1ストップ作戦だったので、彼も入賞できる可能性があったが、なんとコースを横切るビーバーと接触。 フロントウィングを壊した彼は、余計なピットストップを強いられ、チャンスを棒に振り、夢のダブル入賞は実らなかった。 バトンはギアボックストラブルでスタートできず、結局リタイヤ。 バリチェロは完走したが、最下位。 SC中にピットインせず、SCが入った直後にピットインするという理解に苦しむ作戦なども見かけられた。 マシン自体に復活の兆しはあるが、それでも予選第三ピリオドに実力で進出するのは苦しい状況。 フランスGPのでると言われる改良型に期待しよう。

2 thoughts on “2007 Rd.6 カナダGP観戦記 荒れたレースとハミルトン初勝利

  1. にわかフェラーリファン

    いきなり失礼します。
    ライコネンは、ミスします。有り得ないくらい速いかと思ったら、有り得ないようなミスしたり。
    けっこうそういう側面があります。開幕戦のオーストラリアも終盤、寝そうになってたなんていう奴です。
    なのでモナコでのミスも、奴にとってはまだ、「有り得る」範囲ではないかと。
    逆に、シューからのプレッシャーは、有り得ないと思います。アロンソとは逆で、ライコネンはマシンから降りたときの精神力の強さはあります。レース中にポカすることはあっても。(アロンソはレース中はあんなに強いのに、クルマを降りたらちょっとか弱いかも、と思いますが)
    というわけで、ライコネンはシューのことを気にしてるのは、あまり可能性としてないのではないかと。それよりは、本人自身のミスが続いてるだけでは?と思います。
    長文失礼しました。

  2. Clipping Point

    F1カナダGP決勝:サーキットが凍りついた瞬間

     戦慄の瞬間はレースの前半、セーフティカー解除後に突然訪れました。ヤルノ・トゥルーリと接触したロベルト・クビカのBMWは、浮かび上がって減速することなくヘアピン内側のコンクリートウォールにクラッシュ。砕け散ったパーツを撒き散らしながら、さらに反動で反

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