カスターカー論争 終焉へ
シーズン前には盛り上がりましたが、最近は忘れ去られていたようなカスタマーカー問題。
ここに来て、ようやく解決の兆しが見えてきたようです。
以前からお話ししているように、この問題はレギュレーションの問題ではなく、単純にコンコルド協定の分配金の問題でした。
このたび分配金の問題で、ほぼ全てのチームの合意が取れたようです。
問題の解決方法は、こうです。
スーパーアグリとスパイカー、トロ・ロッソの三チームは、分配金をシーズン終了まで、プールします。
そして、そのプールされた分配金を三チームで等分するというものです。
ただ、この方法にスーパーアグリがクレームをつけました。
バーニー・エクレストンが考えついたこの方法ですが、この三チームがコンストラクターズの9位、10位、11位になることが前提となっています。
ところがスーパーアグリのコンストラクターズの順位は現在、8位。
ホンダが不振で1ポイントしか取れていないためです。
結果的に、ホンダはシーズン終了後までにはスーパーアグリを、抜くとは思います。
ただ、スーパーアグリ側はチームが努力して上位のポジションについたのに、それを三等分するのはおかしいと言いました。
コンコルド協定では、上位のチームほど多くの分配金を受け取れるようになっています。
その為、もしこの三チームのうちどこかが、コンストラクターズで8位以上になった場合は、本来9位に与えられる金額のみをプールし、8位と9位の差額の金額はそのチームが独占して受け取れるように改定されました。
これで、スーパーアグリも同意。
スパイカーも同意した模様です。
こうして玉虫色の解決が計られます。
スーパーアグリは、自分たちはカスタマーカーではないと一貫して主張してきましたが、バーニー・エクレストンに睨まれればノーとは言えないのでしょうね。
ただ、この問題解決はメリットもあります。
この問題は、スーパーアグリがスポンサー獲得の際に、大きな障害となっていたからです。
スーパーアグリは、この問題に早く決着をつけて、スポンサー探しに邁進した方が得だと考えたのでしょう。
これで一件落着と思いきや、そうでもありません。
それは2008年の問題があります。
来年からはカスタマーカーも大手を振って参加できるのですが、そこでもカスタマーカーを走らせるチームは、コンストラクターズ・チャンピオンシップの賞金を受け取れない模様です。
ただ、こうするとまた誰のマシンがオリジナルで、誰もマシンがカスタマーカーか、と今年と同じ問題が再燃します。
コンストラクターズの賞金が受け取れないと言うことは、ポイントはもちろん分配金は受け取れるみたいですから、大きな問題にはならないと思いますが。
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