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2013 Rd.15 日本GP ベッテル 退屈なレースに終止符

ウェバーが3ストップにしたのが、ベッテルの最大の勝因ではない。もちろんそれが、ベッテルに味方したことは間違いないが、それだけで勝つことは難しかった。   彼は2セット目のハードタイヤでグロージャンより7周、ウェバーより12周も長く走ったのが大きな勝因である。10周以上古いタイヤにも関わらずベッテルとライバルの二人とのタイム差はコンマ数秒レベルしか違わず、古いタイヤを履いているとは思えない素晴らしいラップタイムだった。結局、この素晴らしい走りのお陰でタイヤ交換後に、グロージャンのすぐ後ろで戻り、タイヤが新しい間にアタックして抜くことができた。古いタイヤでこれだけいいタイムを出すのは、簡単ではない。 もう一つのポイントは、ベッテルはグロージャンに追いついて、1周で抜き去った。ウェバーはグロージャンに追いつても抜くのに6周かかった。この差が二人の命運をわけた。もしこれが逆ならレース終盤に二人のバトルが見られただろう。 もう一つベッテルにとって幸運だったのは、ヒュルケンベルグが5位以下の速いアロンソやライコネンを抑えていて3位と4位の間に25秒近いギャップがあった。つまりベッテルが2回目のタイヤ交換を引っ張って、もし失敗しても3位は確保できていた。つまり3位を走るベッテルには失うものはなかった。 これだけベッテルが苦戦した理由は、予選でKERSが使えなかったからである。以前のコラムでも書いた様に、ベッテルはいつも楽勝しているわけではない。ベッテルとレッドブルは金曜日、土曜日、日曜日、三日間ミスなく高いレベルの仕事をしているから、結果的に勝っている。他のチームはそれができていない。もしくは一つのレースではできるが二つ続けてできない。だから結果的にベッテルが勝つのであって、いつも楽勝というわけではない。今回はレッドブルにもKERSとスタートでミスが出たので、苦しい戦いになった。それでも勝てるベッテルはやはり素晴らしいドライバーと言うことなのである。 関連記事:ベッテルはF1を退屈にしているのか?

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