オイルシステムに疑惑のメルセデスとフェラーリ
カナダGP終了後にフェラーリとメルセデスは、パフォーマンスのゲインを得るために、オイルシステムにトリックがあったのではないかと疑われた。
チャンピオンシップをリードする二つのチームはレギュレーションの抜け穴を利用して、アドバンテージを得ているのではと思われている。
この疑惑はスペインGPでいくつかのチームが燃料を溜めておき、必要な時に使用して追加のパワーを得ているのではないかとの疑惑に続いて表面化してきた。その為、燃料が溜められないように、FIAは最低燃料流量を90kgと定めた。
そして現在は、それがオイルにパフォーマンスを増加させる化学物質を追加して、追加のパワーを得ているとの疑惑につながってきた。仕組みはこうだ。通常のオイルタンクにはルールに合致したオイルを入れておき、エンジンに入れる経路の途中で添加物を追加する。それにより追加のパワーを得られるという。
FIAはカナダGPのフリー走行と予選でハミルトンとベッテルのオイルサンプルを抜き取り、調査をした。
その後、FIAから出された声明では、オイル成分に変化は見られたものの、それは大きなものではなく、通常の使用により変化したと述べられていた。つまり白と言うことである。
FIAはこれによりどのチームもレギュレーションに違反していないことを明らかにした。だがこれで一件落着というわけでもない。というのも添加剤を使用するチームがあったとしても、その証拠が残るような馬鹿なことはするはずがない。高温で蒸発したり、組成変化を起こしてしまうことも考えられる。
FIAはこのような査察をすることにより、全てのチームにこのような事をしてはいけないと無言のプレッシャーをかけていると思われる。それにFIAもメルセデスとフェラーリが違反していたとしても、そのポイントを剥奪して、チャンピオンシップを混乱させたくはない。
オイルシステムの疑惑は、FIAが全てのチームに対してレギュレーションを守らせることが難しい事を示している。この疑惑に関してはライバルチームからの通告から始まっている見られている。
F1の開発競争は激しさを増すばかりである。
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