今回のレースはボッタスのできが素晴らしくて文句なしの優勝でしたね。予選ではライバルであるフェラーリのベッテルとレッドブルのフェルスタッペンを100分の1秒を争う激戦を制してポールポジションを獲得。今回、チームメイトのハミルトンは珍しくミスをして予選五位に沈んだこともあり、ボッタスのドライビングが際立って見えましたね。
決勝でもスタートで一位をキープして、レースを優位に進めます。ボッタスとフェルスタッペンはレース序盤にタイヤ交換し、ツーストップを選択。逆転を狙うハミルトンはワンストップでしたが、今回は流石のハミルトンもタイヤをもたすことが出来ませんでした。レース終盤にフェルスタッペンに迫られますが、追い抜きポイントであるバックストレートでイエローフラッグが出て、フェルスタッペンはアタックできませんでした。
今回のボッタスはレースでも安定しており、全く危なげなく今季4勝目をマークしました。
そして2位フィニッシュでしたが、6回目のワールドチャンピオンを獲得したハミルトン。今年はレッドブルやフェラーリの挑戦が激しく、決してメルセデスがシーズン通して最速だったわけではありません。
ハミルトンがチャンピオンになれたのは、彼が最も安定して結果を残してきたからです。ベッテルもルクレールもフェルスタッペンもあるレースだけを見れば、競争力がありましたが、それをコンスタントに続けることはできませんでした。
そしてメルセデスの作戦も見事で、彼らの力もハミルトンのチャンピオン獲得に大きく貢献した事は間違いありません。
ミハエルシューマッハの記録にあと一回に迫ったハミルトン。まだまだ衰えを見せない彼はあと何回チャンピオンになるのでしょうね。
▽疑惑のフェラーリ
ところで今回は不思議な噂がレース終了後に立ちました。実は土曜日にFIAから技術指令が出されました。それは燃料の流量制限に関するもので、レッドブルからFIAへの質問に対する回答として出されたものです。そしてご存知の通り、フェラーリは今回予選でもこれまでのような速さを見せることもなく、レースでは惨敗してしまいました。
ただベッテルはそれでも予選2位ですし、決勝もサスペンション破壊がなければ、表彰台も狙えたわけで、フェラーリがダメだったわけではありません。しかし予選でフロントロウを独占するような圧倒的な速さがなかったことも事実です。
ルクレールもベッテルのサスペンション破壊の後は縁石を使うのに慎重になっていたとは言え、トップと52秒差の4位はかなりの差ですよね。
この燃料流量の抜穴を利用していたのがフェラーリではないかともっぱらの噂です。ただ燃料流量は1時間当たり100kgと規程されていて解釈の余地はありません。ただ実はこの燃料流量を計る機械はあまり正確でないという問題がありました。
その為、過去にはレッドブルが燃料流量違反で失格になったり、トロロッソが予算タイム抹消になったこともあります。
確かに技術指令が出されてからフェラーリのトップスピードが落ちたわけですから、状況証拠はあります。
フェラーリの代表であるビノットは、直線スピードはパワーだけでなく、ダウンフォースの量にもよるので、パワーが落ちたからトップスピードが落ちたわけではないと抗弁しています。
ただ彼のいう通りだとすると、コーナー部分では他のマシンより速くないといけない理屈ですが、そういう事実もありません。
レッドブルとメルセデスがアップデート投入したわけでもないので、この噂はしばらく尾を引きそうですね。
肝心の技術指令の中身がわからないので、それがわかればまた報告させていただきます。
▽なぜか好調のレッドブル
メキシコは高地なのでレッドブルが速いのはわかっていましたが、このUSGPでここまでの速さを見せたのは驚きでした。
予選決勝ともに3位ですが、予選はポールのボッタスから僅差の0.03秒差で決勝も優勝したボッタスとは5秒差の3位ですから、かなり健闘したと言えます。
しかもフェルスタッペンはスタート直後のターン1でボッタスと接触しフロントウィングの一部とフロアを破損しており、ダウンフォースをある程度失い、空力バランスもおかしいままこの成績ですから、完調であれば優勝争いもできたかもしれませんね。
次のブラジルGPも楽しみなレースになるかもしれません。