用語解説:グレイニング
今回のピレリタイヤは気温が低かったこともあり、グレイニングが酷かった。しかしこのグレイニングとは何を示しているのだろうか。デグラデーションや熱だれとどう違うのだろうか?
グレイニングとはタイヤが充分に温まらず攻めた時にタイヤ表面に発生するささくれ摩耗のことをいう。通常サーキットの路面は、一般道路の舗装よりも表面の凹凸が大きく、タイヤへの負担が大きい。ただ路面表面の凹凸が大きいと言うことは、タイヤのグリップも大きいと言うことで、当然ながらタイヤへの負荷も高い。
F1のタイヤは温度が上昇しないと充分なグリップを得られない。そうするとタイヤが路面表面を滑り、タイヤの表面がささくれるのである。
表面がぎざぎざのおろし金に、やわらかい大根をこすりつけると大根の表面がささくれ立つ。おろし金がサーキット舗装された路面で、柔らかい大根がタイヤと考えてもらうとわかりやすい。
タイヤのトレッド表面がぎざぎざにささくれ立つと当然、接地面積が減少するのでグリップが少なくなる。だからドライバーは不満を表す。ただ表面がささくれ立っているだけなので、走ることによりコンパウンドが減ってくると同時にグレイニングも減ることが多い。トレッド表面にささくれが表れているだけなので、トレッドが摩耗してくれば、ささくれもなくなるという理屈である。今回もドライバーがグリップ不足を訴えたがエンジニアは、もう少ししたらなくなるからとタイヤ交換しない場合が多かった。
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