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レッドブル F1撤退もある

レッドブルのオーナー デートリッヒ・マテシッツが、現状のF1に不満を表した。 マテシッツはレッドブルが開幕戦で燃料流量規制をクリアしたことを証明できると述べた。 「我々は制限内であったことを証明できる」 「この件については我慢の限界というものがある」 レッドブルは開幕戦で2位フィニッシュしたリカルドが失格処分されたことに対して、FIAに処分の取り消しを求めて控訴している。 マテシッツはレッドブルを買収し、小さなチームから常勝軍団へと成長するチームを資金面から支え続けた。 オーストリアの新聞とのインタビューに対して、彼はF1から撤退することもあると述べている。 「問題はスポーツマンシップや政治的な影響力ではなく、経済的な合理性である」 彼はF1に投資するには、そのリターンが必要であると述べている。これはレッドブルがF1に資金を投入して、商品が売れなくなれば撤退する可能性もあるという、経営者としては当然の話をしている。 だが不思議なことにF1では政治的な問題が起きれば起きるほど、世間の注目が集まる。それによりスポンサーシップの影響力も大きくなる。実に不思議なスポーツである。 またマテシッツは今年のレギュレーションについて不満を述べている。 「F1は燃費競争をするために走っているのか?」 「昨年より遅く、GP2と変わらないタイムで走らせて、面白いのか?」 彼がメディアのインタビューを受けることは滅多にない。であれば彼は今回のインタビューで関係者に明確なメッセージを送りたかったと考えるべきであろう。 現時点ではF1から恩恵を受けているレッドブルが撤退することはない。だがF1には永遠という言葉は存在しない。 だがF1は参入と撤退が繰り返されてきた歴史がある。FIAやバーニーは一つチームがなくなっても痛くはないし、レッドブルがいなくなったら、また新しいチームを参加させればいいとくらいにしか考えていない。 彼らはどんなに大きなメーカーが圧力をかけても動じない。だから今回の争いもFIAの全面勝利に終わる。 だがそれでもレッドブルが売れ続ける限り、撤退はない。そしてF1以外でレッドブルが全世界的なマーケティング活動ができる媒体もない。 つまり表面的にはケンカをしても、両者の利害は一致している。この部分は我々日本人には極めて理解しにくいが、これがF1なのである。

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