2014 Rd.5 スペインGP観戦記 メルセデスの独走は続く
多くのチームがアップデートパーツを持ち込むヨーロッパラウンド開幕戦のスペインGP。だがそれでもメルセデスの独走を止めることはできなかった。
それでも差が縮まればまだ期待はあるのだが、予選でポールのハミルトンとメルセデス以外で最速だった3位リカルドのタイム差は約1秒。これはかなり絶望的な差である。しかもメルセデスは予選のセクターベストタイムを見ても、全セクターで1-2である。
スペインは高速中速低速とコーナーのバラエティに富んでおり、マシンの空力的なパフォーマンスを計るには最適なサーキットである。だから昨年まではシーズン前のテストで使用されてきた。
そのサーキットでメルセデスが他を寄せ付けなかったことは、今後のシーズンもメルセデスの独走が続くと言うことである。開幕ダッシュに成功しても、徐々に差をつめられるのが通常のパターンである。開幕で飛び出したマシンの模倣をして追いついてくるのがF1の常識であり、その速度は驚くほど速い。
だが今回の結果を見ると、差が縮まる気配が感じられない。もともと今回のメルセデスの独走は、その理由がまだはっきりしていない。普通これだけ差があると、明確な理由があるのであるが、今回は特別なものが見つからない。もちろんパワーユニットが素晴らしいのは当然なのだが、同じパワーユニットを搭載したウィリアムズやマクラーレンはレッドブルにも追いつけていない。ということはメルセデスの車体側にも速さの秘密があるのだが、それがわからない。そうなると追いかける方は難しくなる。
次のモナコとカナダはカレンダーの中ではかなり特殊な種類のサーキットなので、他のドライバー勝つ可能性も少しだけあるが、もしメルセデスがこのふたつのサーキットを勝ってしまえば、残りを全勝してもおかしくはない。
マクラーレン・ホンダが成し遂げた16戦15勝の大記録に迫る可能性が見えてきた。
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