
もう誰もメルセデスを止めることができない。最もライバルとの差が小さくなると予想されたモナコでも、メルセデスは圧勝。5戦連続で1-2フィニッシュを飾った。
勝負は予選でついた。Q3最後のアタックでロズベルグがミス、コース脇のエスケープロードへ避難した。ここまでは問題がなかったのだが、エスケープロードに逃げて大きな問題がなかったにも関わらず、イエローフラッグが出されて、その直後にアタックをしていたハミルトンはペースを落とさざるを得なかった。
ライバルのミスによりアタックを止められたハミルトンは悔しさを露わにしていた。事実上コースでの追い抜きが不可能なこのサーキットの特殊性を考えると、この予選順位一つの違いは決定的な差である。
ロズベルグが考えることはただ一つ。スタートでミスせずハミルトンの前を維持すること。そしてロズベルグはそのミッションを完璧にやり遂げれば、あとはマシンをフィニッシュさせるだけである。
ニコはレース途中に燃費が厳しくなる場面も見られて、ハミルトンに迫られる場面もあった。タイヤが厳しくなった時期もあった。だがモナコではペースを落としても抜かれる心配はない。
さらにレース中にセーフティーカーが導入されて、2人は同時にタイヤ交換。これではハミルトンがニコを抜くチャンスはない。
今回はタイヤが固くて発熱が悪く、タイヤを先に交換してソフトタイヤにした場合、アウトラップでペースを上げることが難しくアンダーカットすることが難しかった。
さらにハミルトンは2ストップに変更しても、いいスペースを見つけることは難しく、ニコを抜くことはおろか、へたに遅いマシンに引っかかると3位になるリスクもあり、大きな作戦変更でニコを追いかけることもできなかった。
モナコGPはいつものように土曜日の予選で決まっていた。ただそれがイエローフラッグで決まったことは、エキサイティングだとはいえない。