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ライコネン復活 2008 Rd.2 マレーシアGP観戦記

▽ライコネンとマッサの明暗 ライコネン復活とでも書くべきだろうか。 ただ、前回の観戦記で書いたとおり、フェラーリが開幕戦で勝てなくても彼らのマシンが最速なのは明らかだった。 だから、今回の勝利もなんら驚くべきことではない。 イタリアのプレスは、オーストラリアで敗れたことで、この世の終わりの様な論調だったらしいが、あきらかに騒ぎすぎである。 もっともマスコミが扇動的なのは洋の東西を問わないと言うことか。 予選のQ3で調子の出なかったライコネンではあったが、最初のストップでマッサをかわしてからは実力を見せつけ、彼がリタイヤしてからは独走でチャンピオンになってから最初の優勝を飾った。 それよりも、驚いたのはマッサだ。 スタート直後、出遅れた彼は好スタートを切ったライコネン側に大きくマシンを振り威圧してトップの座を守った。 ライコネンとフェラーリはこの彼の態度を好ましくは思わなかったのだろうが、アイスマンはレース後の会見でも淡々と振り返って見せた。 これでもマッサが勝てれば面目を保ったのだろうが、彼はなんと二位走行中にスピンしてリタイヤした。 ライコネンにじわじわと差をつけられていたので、何とか挽回しようとしていたのはわかるが、完全な1-2体制の中で限界を超えてまでプッシュする必要があったのかどうか疑問だ。 ただでさえ暑いレースで、前回は二人ともエンジントラブルでリタイヤしているとなれば、多少ペースを落として走り、次戦以降のチャンスを待ちというのが正しい判断ではないか。 それが、できないところが彼とライコネンンとの大きな違いなのだろう。 こういうレースをやるとチームからの信頼を大きく損なう。 ただでさえ、彼の大きな後ろ盾となっていたジャン・トッドが退任し、彼の立場は微妙だ。 彼もそこのところを感じ取っていたので、必要以上にプッシュしたのかもしれない。 事実、2010年まで彼の契約は残っているにもかかわらず、後任ドライバーの噂が出てきている。 マッサのリタイヤだが、ライコネンのドライバーズ・チャンピオン獲得という意味では悪いことではない。 現時点でフェラーリがひとつ抜け出たパフォーマンスを見せているのであれば、一人のドライバーにポイントを集中させる方がいい。 もっともコンストラクターズ・タイトルのことを考えればマッサにもライコネンを脅かさない程度のポイントは取ってもらいたいのだろうが。 シーズン前の私の予想は、ライコネンが唯一チャンピオンを逃すとすれば、マッサとの争いが激しくなり二人でポイントを食い合う隙に、アロンソやハミルトンに逆転されるというものである。 次のバーレーンでマッサが勝てなければ、彼はシーズン開幕早々、ライコネンのサポート役に回らざるを得ないだろう。 もし、フェラーリがそうしなければ、マクラーレンは大喜びである。 ▽ペナルティと作業ミスに泣いたマクラーレン このフェラーリの独走状態を助けたのが、またしてもFIAのペナルティ。 マクラーレンの二台がQ3でハイドフェルドのアタックを妨害したとしてスタートグリッド5番手降格のペナルティを得た。 確かに彼らはレコードラインを走っていたので、ペナルティと言われれば否定するのは難しいだろう。 だがこれで、レースの興味は大分薄くなった。 それでもマクラーレンのヤングタイガー二人は、素晴らしい走りを見せてコバライネンは3位、ハミルトンはピット作業のミスにもかかわらず5位に入ることに成功した。 誤算だったのはBMWのクビサが2位に入ることにより2ポイントを失ってしまったことだろう。 だが、前回同様BMWのパフォーマンスは素晴らしく、一瞬の隙をみせればマクラーレンでも逆転するのは至難の業であることをまたもや証明した。 フェラーリを追うマクラーレンにとってこのBMWの予想外の躍進は、前半戦を難しくするかもしれない。 コバライネンは予選でも、素晴らしい走りを見せハミルトンよりもいいタイムを刻み、開幕戦では逃した表彰台を得た。 燃料はコバライネンが一周分多く積んでいながら、ハミルトンより速いとはなかなかのパフォーマンス。 開幕前は正直、ハミルトンが相手では厳しいかなと予想していたが、ここまではハミルトンと互角にやり合っている。 初勝利も近いかもしれない。 この若い二人の争いは、今シーズンのもう一つの見所になりそうだ。 ちなみに、このペナルティの影響でレギュレーションが変更されるかもしれない。 一定以上のラップタイムで周回することを義務づけるというのだ。 早ければ、この新しい規約は次のバーレーンGPでは導入されるかもしれない。 ルノーのアロンソは目立ちはしないが、いい仕事をしている。 並のドライバーであれば、今のルノーでは、入賞するのも難しい状況である。 それをアロンソは重いマシンでスタートし、予選の悪さをカバーし、8位に入賞する。 その手腕はさすがに、元ワールドチャンピオンと言える。 ▽BMWに次ぐトヨタのパフォーマンス BMWと並んで予想を上回る走りを見せているのが、トヨタ。 特にツゥルーリは素晴らしい。 私は何回も話しているが、ツゥルーリはトヨタの宝だ。 彼を上位チームが引っ張らないのは不思議でしょうがない。 トヨタにとっては幸いではあるが。 ツゥルーリはオープニングラップの接触がなければ、表彰台も夢ではなかった。 ただ、これからも何回かチャンスは訪れそうである。 ホンダは、今回も良くも悪くもないレースを見せた。 前回、素晴らしい走りと馬鹿げたミスを見せてくれたバリチェロは、今回もまたもピットでのスピード違反という簡単なミスをして順位を落とした。 もっともそれがなくても、バリチェロは入賞するにはほど遠い出来だった。 ホンダの問題点は、昨年アグレッシブなマシンを設計し、歴史的な大失敗をしたので、今年はコンサバなマシンにしたことが原因であろう。 F1において、普通のマシンは普通以下の結果した生まないのが、通常である。 ただ、バトンのベストラップは全体の4番手で悪くはない。 ファーステスト・ラップを記録したハイドフェルドとの差が0.35秒。 ロングランのペースは悪くはないのだが、予選でのスピードがないことで、レースも厳しくなっている。 佐藤琢磨は、困難な状況の中でもまた、予選でスーティルを上回った。 決勝でも完走を果たすことができ、チームに貴重なデータをもたらした。 いつもながら、彼はできることをきっちりをこなしてくる。 中嶋一貴は、前回のペナルティがあったので最後尾からスタート。 第一スティントでは、良い走りを見せていたが、第2スティントで予想外のパンクでショートにならざるを得ず、第三スティントが長くなり失速してしまった。 今回はニコも、良くなかったので次回に期待しよう。

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