キミ・ライコネンは今年フェラーリで安定した走りができない理由を説明する事はできないと述べた。
今年フェラーリに復帰したライコネンは、チームメイトのアロンソと同じような速さを見せることに苦労している。
キミはカナダGP予選の前半ではアロンソと同じペースがあったが、結局0.4秒遅いタイムで予選を終えた。
ライコネンはレースの第1スティントではアロンソの後ろを走っていたが、レース終了時には40秒も後ろにいた。
ライコネンはマシンの感触が一周毎に違うと感じていて、それがコンスタントなペースで走ることを難しくしていると考えている。
レース中にクルマのバランス変化について問われたライコネンは「何が起こっているのか理解するのが難しい」と答えた。
「変化するんだ。ある周はとても難しいが、数周後には何かの理由で突然うまくいく。急にタイヤがうまく動作するみたいに」
「わかっている事実だけでは、理由をうまく説明できない。レースが終わる頃になると、再び良くなるんだ。調査してみなければならない」
「マシンとパッケージにはポテンシャルがある。それを毎周引き出せる方法を見つけ出さなければならない」
毎周、マシンのフィーリングが変化するのであれば、キミが不調であるのは、当たり前の話である。これでは思い切って攻めていくことはできない。しかしこういう現象は非常に珍しい。今のF1は製造品質も高く、部品にばらつきがあるとも考えにくい。
タイヤ温度が上がるまで苦労するのは理解できるが、キミの話だとタイヤの温度が上がった後でも、うまく走れないことがあるようだ。
唯一考えられるのはシャシーに問題がある場合である。シャシーはエンジンやサスペンションなどを固定する唯一のプラットフォームでここに問題があると、マシンの挙動に一貫性が見られなくなる。
ただフェラーリも当然、シャシーは調査しているはずである。だがごく稀に調査ではわからない問題があり、それが原因である事もある。走行中のシャシーには多くの入力が複雑にストレスをかけるので、静的な調査だけでは完全に理解することができない場合もある。だから調査して問題がなくてもシャシーを交換することもある。レッドブルのベッテルは調査では問題なかったが、シャシーを交換して速さを取り戻している。
ちなみにライコネンが遅い理由を、モチベーションが下がっていると批判する人がいるが、それはない。F1はモチベーションが下がった状態で乗れるほど、簡単にドライブできるものではない。日曜日に高速道路をドライブするのとは違う。モチベーションが下がった状態で乗ると危険ですらある。
それにキミの性格であれば、モチベーションが下がったならば、すぐにドライブすることを止めるだろう。
source :
Kimi Raikkonen admits he ‘cannot explain’ current F1 struggles