
カナダGPでの敗北の後、メルセデスは再び通常の状態を取り戻した。ニコ・ロズベルグは3番手スタートから逆転で優勝し、2位になったハミルトンとのチャンピオンシップポイントを29ポイント差へと広げることに成功した。
レース序盤、メルセデスはフロントロウからスタートした、ウィリアムズの2台に前を抑えられていた。メルセデスはラップタイム自体はいいのだが、トップスピードの高いウィリアムズを抜くことができない。
ハミルトンは予選でノータイムに終わり、9位スタートだったので苦戦が予想されたが、なんと2周目にはロズベルグのすぐ後ろの4位になり、チームメイトを慌てさせた。
メルセデスはウィリアムズの2台を抜くために、アンダーカットを仕掛ける。ウィリアムズより早いタイミングでロズベルグがタイヤ交換し2台のウィリアムズが数周タイヤ交換を遅らせたことが理由で、ロズベルグが一気に2台を抜いてトップに立った。
ハミルトンはロズベルグの後にタイヤ交換したのと、ボッタスがタイヤ交換前のラップで頑張ったのとウィリアムズがピット作業を早く終了したこともあり、ボッタスの後ろの3位でコースに戻った。
2回目のタイヤ交換でなんとかボッタスをかわしたハミルトンだったが、ブレーキの状態が良くなかかったこもともあり、ロズベルグに追いついたものの抜くことができずに2位に終わった。
ウィリアムズのボッタスが3位。これは彼のキャリアで初の表彰台である。彼の走りは見事で、チームが保守的なタイヤ交換時期を選択しなければ、優勝の可能性があった。自分より速いメルセデスに追いつかれても堂々たる戦いを見せた。
ポールポジションからスタートしたマッサは、最初のタイヤ交換でメルセデスの2台とボッタスにもかわされて、4位でレースを終えた。
ホームグランプリになるレッドブルだったが、ベッテルが序盤にパワーユニットにトラブルが発生し、スローダウン。ピットに戻った後、ペース良く走っていたが最後はリタイヤした。チームメイトのリカルドは苦戦しながら8位入賞した。
フェラーリのアロンソは、走らないマシンで優勝争いをしたメルセデスとウィリアムズの4台の直後の5位に入賞するのであるから、やはり素晴らしい。彼のレースペースはよく、コンスタントでそれが5位入賞につながった。
小林可夢偉は最初の2ストップ作戦をレース途中で、ビアンキが1ストップと判断して、彼らも1ストップに変更。だが順位は守れず、可夢偉はビアンキのひとつ下、チルトンのひとつ上の16位でフィニッシュした。最近、差を開けられていたマルシアの1台を抜いたのであるから、前向きな結果である。
【2014 Rd.8 オーストリアGP 決勝結果】
Pos. |
# |
Driver |
Team |
1 |
6 |
Nico Rosberg |
Mercedes |
2 |
44 |
Lewis Hamilton |
Mercedes |
3 |
77 |
Valtteri Bottas |
Williams |
4 |
19 |
Felipe Massa |
Williams |
5 |
14 |
Fernando Alonso |
Ferrari |
6 |
11 |
Sergio Perez |
Force India |
7 |
20 |
Kevin Magnussen |
McLaren |
8 |
3 |
Daniel Ricciardo |
Red Bull |
9 |
27 |
Nico Hulkenberg |
Force India |
10 |
7 |
Kimi Raikkonen |
Ferrari |
11 |
22 |
Jenson Button |
McLaren |
12 |
13 |
Pastor Maldonado |
Lotus |
13 |
99 |
Adrian Sutil |
Sauber |
14 |
8 |
Romain Grosjean |
Lotus |
15 |
17 |
Jules Bianchi |
Marussia |
16 |
10 |
Kamui Kobayashi |
Caterham |
17 |
4 |
Max Chilton |
Marussia |
18 |
9 |
Marcus Ericsson |
Caterham |
19 |
21 |
Esteban Gutierrez |
Sauber |