
11位に終わった日本GPでアロンソは、パワーが足りないと訴えた。彼はレース中、パワー不足の様子を無線で「これではGP2だ」と訴えている。
レース後、来年F1に残るのかどうかを尋ねられたアロンソは、「わからない」と述べた。アロンソは三年契約の1年目である。
「このチームが勝てるようになることは確信しているよ。でも問題はいつ勝てるかなんだ」と付け加えた。
この発言は、昨年の同じ時期の発言と驚くほど似ている。当時、3回目のチャンピオン獲得がほど遠い状況に、チームへの信頼もなくしていた。昨年のアロンソもまだ2年の契約を残している状況であった。
アロンソは、ERSのパワーアシストがない状況をGP2に例えているが、それはあながち間違った比喩ではないかもしれない。
現状のGP2は約600馬力を発生している。メルセデスのPUは約900馬力であると推測されている。ホンダのPUは通常時でメルセデスより100馬力劣っていると思われている。さらにホンダはERSの回生不足の際には更に160馬力から180馬力を失う。トータルすると300馬力近くを失っているわけで、長いストレート後半のホンダのPUはGP2と同じパワーしか出せていない状況である。
これではどんなにコーナーで頑張っても、ストレートで簡単に抜かれてしまい、ドライバーは不満がたまるばかりである。
またチームメイトのバトンはパワー不足を危険であると訴えている。ストレートスピードの差があまりにも違いすぎるというのである。
チーム代表のロン・デニスはこのような発言は建設的ではないと述べている。だが彼は2人のドライバーの発言を理解できるとも話している。
「ホンダといい関係を築いている最中に、このような発言は建設的とは言えない」
「しかし彼らの気持ちは理解できる。1レースだけではないからね。彼らは多くのレースでこのような経験をしてきている」
「彼らを許すのかって?激怒した方がいいのか?これは世間には公開しないで、自分のやり方で解決したい」
マクラーレンは今週末、ドライバーの将来について多くの憶測が報道された。だが2人のドライバーは来年の契約が残っている。
バトンが来年マクラーレンでドライブするかどうかの選択権をマクラーレンが持っている。そしてそのオプションの行使期限は9月30日である。
「我々には2人のドライバー契約がある。2人とも残って欲しい。我々は勝てるチームを構築中なんだ」
「ジェンソンとは二年契約がある。それを止める権利を我々は持っている。だが私はジェンソンにチームから契約を解除するつもりがないことを木曜日に伝えてある」とデニスは述べている。
つまり後はジェンソンがどう判断するかである。それにより来年のマクラーレンのドライバーラインアップは代わる可能性が出てくる。これはアロンソとバトンが同時にいなくなると困るマクラーレンの保険なのかもしれない。