アロンソがマクラーレン・ホンダに最後通告!
日本GPでのパフォーマンス不足は、不満のたまっているフェルナンド・アロンソへの最後の一撃になったかもしれないとスペインのサイトが伝えている。
アロンソはマシンのパフォーマンス不足に不満を募らせてきたが、日本GPのレース中にホンダのPUを批評したことで、我慢も限界を超えたようである。
マクラーレン代表のロン・デニスとの長い話し合いの中で、アロンソは来年マクラーレンに留まるための三つの条件をつきつけた模様である。
三つのうちの最初の条件は、ホンダの新井氏を更迭することである。PUの性能不足のせいでチームの評価を著しく落としたので、これ以上その職にふさわしくないと考えている。
二つ目は2016年のマシン開発への完全なアクセスを求めた。来年用のマシンは今年の競争力のなさを反映して、まったく新しく開発される。
そして最後の条件が最も重要な点である。それは二つの条項から成り立っており、一つはプレシーズンテストでマシンの競争力がないと判明した場合と、二つ目は開幕戦であるメルボルンでもしQ3へ進出できないか、トップ争いができない場合、アロンソはチームを離れて、引退もしくは一年間の休養を取る可能性がある。
では本当にアロンソがこんな条件をマクラーレンに突きつけたのであろうか。だが最初の二つはともかく最後の一つに関してはとても信憑性が高いと思われている。
マクラーレンがバトンの契約をとても焦って更新したことにそのヒントがある。元々マクラーレンはバトンが残留してもいいが、もし離れたとしても問題ないとの立場であった。その証拠にバトンが来年マクラーレンに残るオプションを行使しないつもりだった。
というのもバトンの二年契約は初年度の年棒が8億円で、2年目の年俸が16億円という変則な契約となっているそして2年目の契約更新のオプションはチーム側が握っていた。しかし今年の成績不振から来年の収入が減ることが確実なマクラーレンは、バトンのオプションを行使せずに、バトン側ともう一度交渉して、年俸を抑えた新しい契約を結ぶ方針であった。
バトンが移籍できるチームが現実的にないというのもマクラーレンには有利な条件だった。だがここにきて状況が変わってきた。ルノーがロータスを買収することが確認されたが、残留すると思われていたグロージャンがハースへ移籍してしまった。
フルワークスで復帰するルノーのナンバーワンドライバーがマルドナドでは心許ない。その点、バトンはチャンピオン経験もあり、旧ベネトンでのドライブ経験もある。
それもありマクラーレンはバトンの契約更改を焦りだした
だがこの時点ではアロンソは来年もチームに残ると思われていたし、その場合、もう一人のドライバーはマグヌッセンでもバンドーンでも問題はなかった。だがここに来てアロンソの来年の活動が不透明になってきた。アロンソとしては、他のチームへ移籍したいのであるが、移籍先が見つからない状況である。その為、来年のマシンの競争力がない場合、一年間の休養か、引退する可能性を示唆したと思われる。
そうなるとバトンとの契約の意味合いが変わってくる。もしアロンソがいなくなり、バトンもいなくなるとするとマクラーレン・ホンダのドライバーはマグヌッセンとバンドーンということにもなりかねない。これは優勝を目指すマクラーレン・ホンダとしてはあまりに経験が少ないペアになる。
そう考えるとここにきてバトンのオプションを行使してバトンの残留を確実にしてと言う意味が見えてくる。つまりアロンソが来年いなくなった時のことを考えて、バトンを抑えたと考えられる。
つまりアロンソは来年一年間休養するか、引退することを考えているのはほぼ間違いないと思われる。
マクラーレン・ホンダはこのアロンソの言動にどう対応するのであろうか。もう来年のマシンのコンセプトは決まっている。ホンダのPUも基本コンセプトが決まっている。ここまでくるともう来年の性能はほぼ決まっていると考えて良いだろう。
マクラーレン・ホンダにとって来年の開幕までは、正念場となりそうである。
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