2016年シーズンで知りたい10のことーその3 ホンダは競争力のあるPUを開発できるのか
昨年、惨敗に終わったホンダ。彼らは今年競争力のあるパワーユニット(以下PUと略)を開発できるのであろうか。
ホンダに関して一番心配なのは彼らがサイズゼロと呼んでいるコンセプトを変えないと表明していることである。
サイズゼロとはPUのパッケージを極端までにタイトにして、空力的なメリットを得て速さを獲得するコンセプトである。
だがこのコンセプトを採用したので、ホンダはターボのサイズを大きくすることができずに、パワーを大きくロスした。特にエンジンの排気からパワーを得るERSでの回生が十分でなく、長いサーキットの後半で、パワーアシストがなくなり、アロンソが「GP2エンジンだ」と非難したことは記憶に新しい。
だがホンダの新井氏は今年も自信があるような言動を繰り返している。彼らはターボのサイズをある程度大きくするようである。だがサイズゼロのコンセプトは維持したいので、どこまで大きくするのかが問題である。
ホンダのターボはサイズが小さかったので高圧の空気が必要になり、ターボの回転数に制限がかかった。ターボの回転数に制限がかかると当然、回収できるパワーも少なくなる。
1年間戦ったのでメルセデスがどの程度のパワーを得ているのかデータはある。あとはその差をホンダが埋められるかである。当然、コンピュータでのシミュレーションやベンチテストをしていると思うのである程度は追いつくことができるだろう。
だが対するメルセデスも座って待っているわけではない。メルセデスはPUに関して言うと開発余地がまだまだあると述べており、彼らは更なる高みを目指している。
それにここ数年、マクラーレンの開発力の不足も目立っている。昨年、コンストラクターズ順位を大きく下げたことにより分配金が減るのも不安である。彼らにはいまだにメインスポンサーがないのである。
そう考えると今年最初のテストでホンダのPUがどの程度のパフォーマンスを見せるのかが注目である。
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