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レッドブルが勝ち続ける理由

インドGPでレッドブルは4年連続のタイトルードライバーとコンストラクターズーを獲得した。ではなぜ彼らはこれほどまでに勝利を続けることができるのであろうか?マシンがいいから?イエス!ドライバーがいいから?イエス!でもそれだけで勝ち続けることができるのだろうか?   組織おいてリーダーの存在は大きい。もちろん大きな組織と小さな組織ではマネージメントのスタイルは違ってくる。だがリーダーの能力でチームのパフォーマンスは大きく変わってくる。 マーティン・ウイットマーシュ。言わずと知れたマクラーレンのチーム代表である。彼はF1界ではナイスガイである。だが彼のチームが最後にタイトルをとったのはいつか覚えているだろうか?そう混乱のブラジルGPで最終ラップでの逆転を決めた2008年である。その1年前はアロンとハミルトンをコントロールできずに、フェラーリのライコネンに逆転の1点差でチャンピオンを決められた。だが彼は未だにチームの全権を把握できていないようだ。ペレスとの契約はロン・デニスが独断で動いて進めたといわれている。強いリーダーであればこの時点で辞表をだすか、文句の一つでもいうだろう。だがそういう噂は聞かない。そして5年にわたりチャンピオンを逃しているこの代表は職を失う気配がない。サッカーの監督であればとっくに首であろう。 フェラーリの代表はステファノ・ドメニカリ。とても落ち着いたいい人間である。いつも冷静で人当たりもいい。彼も最後のチャンピオン獲得は2007年のキミ・ライコネン。それ以来、王者からは遠ざかっている。だが彼も全権があるようには見えない。常に後ろに社長のモンテツェモロの影がちらつき、大きな問題が起こった場合は、必ず彼が出てくる。果たしてチームのリーダーは誰なのだろうか?そう考えるとこのチームのリーダーはアロンソのなのかもしれない。 ではレッドブルのクリスチャン・ホーナーはどうだろう。彼も人当たりはとてもいい。だがチーム運営にオーナーのマテシッツが出しゃばることはない。技術面はニューウェイに任せて、彼が気持ちよく仕事できるようにしている。またベッテルに対しても多少の事には目をつむり、彼がドライブに専念できる環境を整えている。もちろん今はレッドブルの絶頂期でなにをやってもうまくいく状況ではある。彼の真の実力を計るには、悪い状況の中に置いてみないとわからない。かつてここまで成功したチームは80年代のマクラーレンと2000年代のフェラーリしかいない。彼らの絶頂期にもいいリーダー(ロン・デニスとジャン・トッド)がいた。 もちろんマシンが良くて、ドライバーがいい場合、一年だけなら勝てる事もある。だがそれだけで勝ち続けることはできない。 そう考えるとマクラーレンやフェラーリがすべき事はただ一つである。それが明確なのに動かない、動けないのであれば成績が低迷するのも当然である。確かにF1はマシンに依存する部分が多いスポーツである。だがそのマシンも人間が設計し、作るのである。マシンが遅ければそれは人間の問題か、人間に問題がなければ組織の問題である。そしてその組織も人間が作る。 つまるところ全ては人間の問題にいきつく。それが変わらない限り組織は変わらないし、マシンも変わらない。同じチームの別のマシンが同じような特性を見せるのはこれが理由である。 全ては人間にかかっている。それに気がつかない限り、レギュレーションが変わっても、レッドブルの優位は変化がない。

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