2014年から最終レースはポイントが二倍になる!
F1戦略グループの会議が昨日、おこなわれシーズン最終レースはポイントが二倍になることが決定した。
つまりこれは最終戦、今年の場合はブラジルGPでの勝者には50ポイントが2位には36ポイントが以下10位まで通常の2倍ポイント数が与えられる。
これにより確かにチャンピオンシップはより不確実になり、盛り上がることは間違いがない。だが私はこれを支持できない。このルールだと最終戦だけ価値が他のレースに比べて2倍になる。年間を通じてチャンピオンを争うのであるから、特定のレースだけ与えられるポイント数が多いというのは一貫性がない。
そもそもなぜ年間でチャンピオンを決めるのかというと、レース毎には運不運もあり、実力が反映されないこともある。ただそれを1年間16レースなり19レースやれば運も不運もほぼ平等に起こりえるので、実力が結果に反映されやすくなる。
確かにゴルフやテニスは特定の大きな大会の賞金額が多かったり、与えられるポイント数が多かったりする。でもF1の場合、機械を使ってするスポーツである点が少し異なる。例えば、残り1レースで49ポイントリードしているドライバー、通常なら最終戦前にチャンピオンを決めているドライバーが最終戦でリタイヤし、ランキング2位のドライバーが優勝すれば逆転チャンピオンになる。これはどう考えてもおかしなルールである。特に最終戦がブラジルGPのような天候に左右されるような場合には、偶然がチャンピオンを決めることになりかねない。
基本的には個人競技であるF1はいつの時代も少数の強いドライバーが勝つことで成り立ってきた。今はベッテルが4年連続チャンピオンに輝いているが、それが永遠に続く保証はない。シューマッハーが圧勝している時代にポイント制が変更され、終盤までチャンピオン争いがもつれるようにはなった。ただこのルールは誰にとっても平等に適用される。だが最終戦だけポイント数が2倍というルールは少し違う。
スポーツの素晴らしいところは努力したものが勝つ点である。一番努力したのがベッテルとレッドブルであれば、彼らが勝つことに何の不満もない。彼らはそれにふさわしい努力をしているからである。他のチームが彼らを上回る努力をすればいいのである。それをポイント制を変更することにより、盛りあげようとするのはこのスポーツに対する冒涜ではないかとも思える。
この流れで行くとモナコGPや日本GPはポイント二倍という制度にもなりかねない。
もちろんこのルール導入でF1が盛り上がるのは間違いがない。だがこれで真のドライバー世界一を争うシリーズとうたえるのか、疑問が残る。
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