勝ちを逃したリカルド
このレース本来勝つのはリカルドのはずだった。メルセデスなき後のレースを終始リードしたリカルドだが、なぜ彼は勝てるレースを落としたのか。
その理由はチームがとった作戦にある。チームはなぜか彼をスリーストップに変更した。だがこの変更には大きな疑問が残る。なぜなら彼は2回目のストップ前にレースをリードしており、彼が先に動く理由はなかったからである。
レース前の予想では、理論上スリーストップの方がツーストップより速かった。だがスリーストップにした場合、コース上でツーストップのマシンを追い抜かなければならない。そしてそれはこのサーキットでは、ほぼ不可能なミッションである。しかもツーストップのマシンは多いとみられていた。そうなると抜く際に失うタイムは大きくて採用するのは難しい作戦だった。
そんな作戦をトップを走る、より経験もあり勝利したこともあるドライバーに採用することは普通ありえない。もしアロンソやハミルトンがこのような作戦を取られて勝てなかったら、レース後に怒る狂うだろう。
これは取るべきでないリスクである。もちろん彼らにはフェルスタッペンがいて、フェラーリの前を走っていた。
だが彼はたった1年少しの経験のないほぼルーキーといえるドライバーであり、普通スリーストップに変更するのは、彼の方である。もしクビアトがチームメイトだったら、レッドブルはそうしたに違いない。だが実際の選択はそれとは逆だった。
もっともフェルスタッペンもフェラーリの前を走っており、スリーストップに変更する必要はまったくなかった。こうしてリカルドは勝利を失い、レッドブルは1-2フィニッシュを失い、スターが誕生した。
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