絶望のリカルド またもチームの失態で勝てるレースを逃す
レッドブルのリカルドが2戦連続で手にしていたレースを失った。しかも2戦連続チームのミスである。
モナコでのその時は32周目に来た。一周前にリカルドの前を走るハミルトンがタイヤ交換(リカルドはセーフティカースタートでポールボジションからトップを維持していたが、路面が乾いてきたために、インターミディエイトに交換。ハミルトンはインターミディエイトに交換せずにウェットで走り続けていたが、リカルドは、タイヤ交換前のリードとタイヤ交換後の速いペースでハミルトンとの後ろにつけていた)。
続けてリカルドもドライタイヤに変えるためにピットイン。普通にタイヤ交換すれば、問題なくトップでコースに戻れるはずだった。
というのもハミルトンはまだ所々ウェット部分が残る路面に苦労して彼のアウトラップはリカルドのインラップより8秒近く遅かった。
このままリカルドがタイヤ交換すれば、抜けないモナコでの勝利が現実のものになる。
ところがリカルドがピットインすると交換すべきタイヤがない。慌ててタイヤを持ってくるピットクルー。タイヤ交換に10秒ついやしたリカルドが猛然と加速するなかハミルトンとピット出口で並びかけるも逆転を許してしまった。
この時レッドブルのピットでは何が起こっていたのか。当初、レッドブルはソフトタイヤに交換する予定だった。ソフトタイヤはドライのレースならば60周は走れると予想されており、この時点で最後までタイヤ交換する必要がなかった。
ところが1周前にタイヤ交換したハミルトンはなんと一番やわらかい今シーズン初登場のウルトラソフトに選択。
レッドブルはウルトラソフトタイヤで最後まで走りきれる自信がなかった。そこでウルトラソフトとソフトタイヤの中間のスーバーソフトに交換する判断をくだした。
だが当初交換する予定だったソフトタイヤはガレージの前に、使う予定のなかったスーバーソフトはガレージの奥に置いてあった。これはモナコのピットが狭いこともあったし、いつ雨が降るかわからなかったので、ウェットとインターミディエイトタイヤを前に置く必要があり、使う予定のないドライタイヤは奥に置くしかなかった。
そのためにレッドブルは余裕を持って30秒前にスーバーソフトへの変更を伝えたが、コミュニケーションミスも重なり、リカルドのピットインに間に合わなかった。
こうしたよ不運が重なったリカルドはレースを失った。
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