今年絶好調のニコ・ロズベルグが、2017年の移籍市場の目玉になるかもしれない。
ニコ・ロズベルグは、今シーズン末でメルセデスとの契約が切れると言われているが、スペインGPを訪れたダイムラーのディーター・ツェッチェ会長は、ニコ・ロズベルグが来年もメルセデスとの契約下にあると述べていた。
だがメルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフは、フェルナンド・アロンソに興味があると話している。だがもしロズベルグの契約が残っているのであれば、このような発言はないので、ロズベルグの来年はわからなくなってきた。
「フェルナンドは史上最高のドライバーのひとりであるし、彼の性格も気に入っている。だが、現在の第1選択肢はニコだ」とトト・ヴォルフは El Mundo にコメントとした。
「ロズベルグが契約更新を望まなければ、フェルアンドのような他のオプションを検討する」
一方、イタリアの Corriere della Sera は、フェラーリとニコ・ロズベルグとの間で交渉が開始されたと報じた。
ではニコ・ロズベルグはフェラーリへ移籍するのであろうか?
私は移籍の可能性はあると考えている。
普通考えれば最速マシンを持つ、最強チームを離れるのは常識的ではない。だがドライバーというものは、常識的では務まらない。
常識的な人間は時速300Kmでサイドバイサイドになり、順位を争ったりはしない。
ただし移籍には条件がある、それはロズベルグが今年チャンピオンを獲得することである。それなしではロズベルグは移籍しないだろう。過去にもチャンピオンを獲得して、翌年チームを離れたドライバーはいる。
もっともチャンピオンを獲得しなくても、メルセデスを離れる可能性も少しは残されている。メルセデスが2人のドライバーのうちどちらを評価しているかと言えば、それはハミルトンである。その証拠にハミルトンの方がロズベルグより高いサラリーをもらっている。
今回、ロズベルグはチャンピオン争いを有利に進めながら、ハミルトンより高い金額を得ようとするだろう。少なくともハミルトンと同額でなければ、契約交渉は難航する。
だがメルセデスがハミルトンかロズベルグかどちらか1人を選べと言われれば、それはハミルトンである。
だからロズベルグがそれを理解しないで、強気で交渉すると契約更新は難航し、最終的に交渉が決裂することもあり得る。
かつてフェラーリはマーク・ウェバーに移籍のオファーをしたことがある。その時は最終的にウェバーはレッドブルに残留したが、チャンピオンドライバーと同じマシンに乗ると言うことは、常に比較されると言うことであり、チャンピオンにならない限り評価されないというつらい立場でもある。
人一倍プライドと競争心が強い、F1ドライバーがこのような環境は耐えられるはずがない。そこにロズベルグの移籍の可能性が残されている。
そしてロズベルグがフェラーリへ移籍すると、ドライバーラインアップは大きく変動する。特に困るのはマクラーレン・ホンダである。マクラーレン・ホンダは来年、アロンソとバンドーンと予想される。もしアロンソがメルセデスへ移籍したら彼らの復活のシナリオは大きく崩れる。
もしメルセデスからアロンソへ正式なオファーがあれば、彼はそれを受けるだろう。
それはホンダにとって大きなダメージとなる。